使える知識を蓄えるために、記憶をしようと思ったら、使っている場面を想定することです。
■応用できるか?
たとえば、有名な「マズローの欲求5段階説」というものがあります。
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欲求段階説(よっきゅうだんかいせつ、英: Maslow's hierarchy of needs)とは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する」と仮定し、人間の欲求を5段階の階層で理論化したものである。これは、マズローの欲求段階、自己実現理論とも称される。
ピラミッド状の階層を成し、マズローが提唱した人間の基本的欲求を、高次の欲求(上)から並べる。
・自己実現の欲求 (Self-actualization)
・承認(尊重)の欲求 (Esteem)
・社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
・安全の欲求 (Safety needs)
・生理的欲求 (Physiological needs)
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E5%B7%B1%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E7%90%86%E8%AB%96
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仕事をする上で、これ自体知っていても大して役には立ちません。
これを使って他人を、「彼は社会的欲求が強いよね〜」などと評したとしても、「いろいろ知ってますね」と感心はされるかもしれませんが、何も解決できていません。
それでは、仕事として評価はされないわけです。
知っていることを、どのように次の行動に応用するかが仕事では問われるわけです
■応用を考えると記憶できる
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「 5 + 6 = ?」とか「 7 + 6 = ?」という普通の問題が解けるようになったら、次は視点を変えて、「 3 + 6 = 9 」とか、「 4 + 8 = 12 」という間題にチャレンジすると、本当に足し算が理解できるようになります。
それができないのだとしたら、本当に理解できたのかどうかは疑問です。
実践的な知識は、応用力から生まれます。そして、応用力というのは、いろいろな視点から同一の問題を眺めることで鍛えられるのです。
単なる暗記でとどまるのではなく、使える知識に昇華してこそ、ホンモノの記憶力なのです。
伊藤真(著) 『記憶する技術』
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「使える知識」とはまさにその通りで、「役に立たないウンチクがおおい」と、せっかく時間を使って勉強したのに、たんなる趣味の世界だけになっちゃいます。
本を読んでいて、「お、ここは重要」と思ったら、それを今の自分が使うとしたら、どのように使うのかのアイディアを出すことを自分に義務付けることです。
実際にそれをやれるかどうかは、仕事の忙しさ具合とか、その時の状況に依存をしますが、後でかなりの確率で役に立つ時が来ます。経験値ですが。
私は過去記事
読書記録をつける
でも書きましたが、
・小説なら、自分の今の状況に主人公がおかれたときにどのように行動するだろうか
・ビジネス書なら、今の課題(自分のものでも会社のものでも、他人のものでもOK)の解決策を提示する
ようにしています。つまり、現実の世界に本の主張を当てはめてみる。
当然、それは読書記録に残します。
あまり、読書記録自体を読み返すことは多くありませんが、「書く」という行為によって、結構頭のなかに残りますし、ハードディスク内を検索してヒットすることも時々あります。
それをすることで、将来ぶつかる課題などに、役に立つ場面が出てきます。
■現実問題に適用する
では、冒頭のマズローの欲求5段階説で考えてみると、
部下のモチベーションのために、「ありがとうカード」を作ってみよう
月齢の報告会で、部下の業績を共有する場を作ろう
みたいな考え方ができます。
「マズローの欲求5段階説」の本を読みながらこういうことを考えみると、
5段階とは、「生理的欲求」「安全欲求」「親和欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」
なんて覚えようとしなくても、いつの間にか記憶に定着するようになります。
もちろん、メモして、繰り返し考えてみないといけませんが。
■参考図書 『記憶する技術』
記憶力は、一生、鍛えることができる。 司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。 日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。 60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。 その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。 「記憶する技術」をもっているかどうかである。 それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。 本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。 |
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記憶する技術 著者 :伊藤真 | 楽天では見つかりませんでした | 記憶する技術 検索 :商品検索する |
●関連 Web
記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術』
『記憶する技術』天狼院書店
●本書を引用した記事
記憶術:凝視する
記憶術:周辺情報を追加する
記憶術:同じような問題を繰り返し考える
記憶術:休み休み、繰り返し
記憶術:意味付けをする
オフラインモードで内面刺激を受ける
記憶術:ガムを噛むと記憶力がよくなる
記憶術:バロック音楽をBGMにする
記憶術:ネットワークを作る
記憶術:イメージ記憶法で絵にする
記憶する技術:呼吸法を取り入れる
索引チェックリスト
記憶術:利き手を使わずに書く
記憶術:ブツブツ言う
読書の作業ステップ
PREP読書術
「覚えられない」は本当は必要としていない
●このテーマの関連図書
続ける力―仕事・勉強で成功する王道(幻冬舎新書)
考える訓練
夢をかなえる勉強法