本日は、図解をするためにもうひとつ必要な作業、配置するについて。
■カタマリをどこに置くか
カタマリを作ることができても、図解はできるようにはなりません。
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●図解とは、「位置/配置」に情報を盛り込むこと
例えば、有名な情報整理術に、「KJ 法」というものがあります。
考案者である文化人類学者・川喜田二郎氏のイニシャルをとってこう呼ばれています。
ここでは詳しくは説明しませんが、キーワードを書いたカード、新聞や雑誌の切り抜きといったものを、机の上で「関連性の高いものは近くに置く」「関連性の高いものでも、上位の概念は上に置く」というルールで配置していくものです。
関連性の高いものごとにかたまりができ、大量の情報をざっくりと整理できるというわけですが、出来上がったものは、図解そのもの。
かたまりを線で囲ってグルーブ化し、「→」などで関係を書き加えれば、そのまま図解として使えます。
「図解とは、位置/配置で関係を表したもの」この本質を理解すれば、たちまち文書整理が得意になるはずです。
中山真敬(著) 『基本図形の使い方で劇的に変わる! 図解力を10倍高める本』
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「どこに書くか」ということが次に重要になってきます。
いい加減にカタマリを置くと、それの関係を表す線を引いてみると、線がごちゃごちゃ交差して、なにが書いてあるのかわからなくなっちゃいます。
そこで、「カタマリをどこに置くか」が重要になります。
■いい方法はない
と、ここまで書いておいてナンですが、実はいろんな場合に適用できるいい方法というのを知りません。
私は、わりと直感で決めてます。
ただし、置く場所を直感で決めているわけではなく、置く場所を決めるルールを直感で決めています。
たとえば、議論する内容が
前提→議論→結論
のような内容なら、左から右に書いていきます。同時に、具体的な話は下に、抽象的な話は上に起きます。どのくらいの高さに置くかは、抽象度を適当に判断して。
こうしておくと、話の流れが右から左に向かって、最終結論となる行動(アクション・宿題)は右下に来ます。
線でつなぐときもだいたい左から右、上から下に繋げば、あまり交差することはありません。
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時問軸を描き込んで、時系列で配潰するとか、左から右へ(あるいは上から下へ)手順を書いて、その間に矢印を加えてプロセスチャートにするとか、図解には多種多様な型があるようで、実は基本はひとつ。「位置/配置」で情報を盛り込むということに尽きるのです。
●「縦軸」「横軸」にどんな指標を使うか
「位置/配置」で情報を盛り込むということは、
「縦の位置関係で○○を示そう」
「横の位遺関係で△△を示そう」
という、 2 つの情報を盛り込めるということです。
もちろん、年表やフローチャートのように、横軸に時間を置いただけの、一次元的な使い方で十分な場合もありますし、軸は考えず、 3 つ、 4 つのものがお亙いに関係し合りている、という線でつないだだけの図解で十分な場合もあります。
しかし、紙は、「縦 × 横」の二次元なので、 2 つの軸を立てて整理すると、濃い内容の図解が作れるということです。
ボストン・コンサルティング(ボスコン)の「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)分析」が有名です。
「PPM 分析」では、縦軸に判市場成長率庶、横軸に判市場占右率しを取り、 4 つの象限に「金のなる本」「スター」「問題児」「負け犬」と名前を付け、事業や商品を配置(プロット)する分析手法です。
しかし、「縦軸 × 横軸」の立て方は、自由に変えてかまいません。要するに、 2 つの指標を組み合わせて情報を整理する方法ということです。
余談ですが、私が以前お伺き合いしていた外資系コンサルティング会社では、ブレスト(ブレーン・ストーミング:自由閥達に意見を出し合う会議)を行うとき、最初にホワイトボードに「縦軸 × 横軸」を描くのが習慣となっていました。
そして、
「成長率 × 利益率で整理するとどうなるだろう」
「事業規模 × 成長率で整理するとどうだろう」
と、議論が煮詰まると軸に取る指標を試行錯誤で変えていくのです。
最近は、「フレーム・ワーク」と称して、型にはめた思考方法が人気を集めていますが、数ある指標のうち、 2 つの指標として何を選んで整理すると効果的か、ということの方が重要です。
経験を積めば何となくわかるようになるものの、正解はありません。
むしろ、いろいろと試した方が、多くの気づきが得られるものです。
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図解のコツ5:配置を試行錯誤する
図解のコツ3:キーワードを抽出する
図解のコツ4:配置を決める
図解のコツ2:単語を抜き出す
図解のコツ1:カタマリを作る
図解とは位置・配置に情報を盛り込むこと
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