赤のペンで大きな字を書く
というやりかた。
「赤」というのは、多くの動物にとっては、「血」の色を連想させます。つまり、そこに着目が行きやすい色です。だから、大抵危険を知らせるような重要なものには赤が使われているんですね。
もうひとつは、大きな字です。
この記事でも、大きな字を使っていますが、目立つでしょ。
結局、目立つものは記憶に残りやすい、というルールをつかって記憶に残す方法です。
■赤のサインペンを用意する
覚えたいときに、ノートに小さな字でちまちま書いても、「書く」という行為自体は効果がありますが、印象にここることはありません。
黒や青のボールペンでたくさん書いて、そのうちもっとも重要なことをひとつかふたつだけ、赤のサインペンで大きな字で書くと、それを後で思い浮かべたときに、全体像がイメージとして再現できます。
元ネタは、そのものズバリですが、以下の本から。
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●「赤く」「大きな」文字で書きなおしてみる
参考書を読むとき、赤いボールペンなどでびっしりとアンダーラインを引くことは、だれでもやっているに違いありません。しかし、アンダーラインは引いても、赤ペンで文字を書いて覚えることは、あまりやっていないようです。文字を書くときには、黒いシャープペンシルやボールペンを使うのが普通で、赤や青などの色のついた文字を書く人は、それほど多くないと思います。しかし、本当に覚えにくい内容については、わざと赤ペンでノートに書き出すようにすると、強烈な印象を頭に残すことができるのです。このとき、できるだけ大きな文字で、それこそノートいっばいに重要な事柄を書き出してみると、普通に文字を書くよりも鮮明に覚えられます。
障害児教育で知られるグレン・ドーマン博士は、幼児に字を教えるとき、ちょこちょこと小さい文字で書かせるのではなく、「赤く」、しかも[大きな」字で書くように指導するそうです。赤くて、大きな文字は、私たちの頭に与えるインバクトが大きいのだとドーマン博士は述べています。
鉛筆やシャープペンシルは、基本的に黒ですが、黒い文字というのは、それほど私たちの注意を引きません。
信号は、赤が危険をあらわしますが、これは赤色のほうが、ずっと私たちの注意を引くからです。
この原理を、暗記にも取り人れてみましょう。
工場でも、警告や注意書きの看板の文字は、赤色で書かれています。黒や白で書かれている標識ですと、私たちはそれほど注意せずに、見逃してしまいます。工場では、こういうところから事故が発生しますので、わざと赤色を使って、往意を喚起しているわけです。
何度やってもなかなか覚えにくい事柄は、黒ペンでなく、赤ペンに持ち替えて、ノートいっばいに書いてみましょう。
黒ペンでなく、赤ペンに持ち替えるという動作そのものに、「これは重要だぞ」と自分に言い聞かせる効果がありますから、なおさら記憶に残りやすくなると思われます。
小さな文字で書くより、大きな文字で書いたほうが、より記憶へのインパクトが大きいのは、だれにでもわかると思います。小さな字で、びっしりとノートに書いていると、何が重要で、どれがそれほど重要でないかが、一目で判断できません。
記憶のために紙に何かを書き写すときには、ケチケチしないで、空白や余白をたっぶりととって、大きな文字で書くようにしてください。
ノートの値段はそれほど高くありませんから、こんなところでお金をケチっても、仕方がないのです。
ノート 1 冊に、細かい文字でたくさん書くよりも、同じ分量をノート 10 冊に書いたほうが、はるかに記憶の定着率がいいことを覚えておきましょう。
「こんなに余白があると、もったいない」と思うくらい、ぜいたくにノートを使ってください。
漢字の書き取りをするとき、大きな文字で練習すると、どんどん使用済みノートが増えます。
すると、「おれは、こんなに練習したんだ」という自信がついてくるものです。
大きな文字でノートを使うことには、こういうメリットもあるのです。
伊藤真(著) 『記憶する技術』
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■ノートには2〜3色のペンを使う
私が最近勉強しているのは、「統計」について。特にビッグデータ系に活用できるようなものが多いですが、基本は黒のボールペンでノートに書き写してます。
で、ノートの見開きに1箇所だけ、赤のサインペンを使って、そのページでもっとも重要なことを書きます。
こうしておくと、案外そのページのレイアウト全体を、赤の文字を中心に思い出すものです。
このやり方は、議事録をまとめる、こうしたブログやレポートを書く、などのときに活用できます。
マインドマップのようにフルカラーで図を書くようなときには余り役立ちませんが、全体が黒っぽい、単調なものに使うと効果絶大です。
記憶術だけでなく、自分が協調したいところを人に伝えるときに、役に立ちます。
この記事では
普通の強調: ボールド(太字)
目立つ強調: 赤字
【一番目立つ強調:赤字・大きな文字
を使うようにしています。
まあ、効果のほどは、このブログ記事で。
■参考図書 『記憶する技術』
立ち読み可 | 記憶力は、一生、鍛えることができる。 司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。 日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。 60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。 その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。 「記憶する技術」をもっているかどうかである。 それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。 本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。 |
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記憶する技術 著者 :伊藤真 | 楽天では見つかりませんでした | 記憶する技術 検索 :商品検索する |
●関連 Web
記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術』
『記憶する技術』天狼院書店
●本書を引用した記事
記憶術:応用を考え自分の現実に当てはめる
記憶術:凝視する
記憶術:周辺情報を追加する
記憶術:同じような問題を繰り返し考える
記憶術:休み休み、繰り返し
記憶術:意味付けをする
オフラインモードで内面刺激を受ける
記憶術:ガムを噛むと記憶力がよくなる
記憶術:バロック音楽をBGMにする
記憶術:ネットワークを作る
記憶術:イメージ記憶法で絵にする
記憶する技術:呼吸法を取り入れる
索引チェックリスト
記憶術:利き手を使わずに書く
記憶術:ブツブツ言う
読書の作業ステップ
PREP読書術
「覚えられない」は本当は必要としていない
●このテーマの関連図書
続ける力―仕事・勉強で成功する王道(幻冬舎新書)
考える訓練
夢をかなえる勉強法