仕事にはいろいろな問題が付きものです。というか、問題を解決するのが仕事なのかもしれませんが。
で、その同じ仕事でも「楽しい」と感じる場合と、頭から離れなくなってストレスになる場合があります。
ところが、あるレベル以上になった人に時々見かけるのが、「24時間仕事の事を考えている」といって自慢する経営層のかた。
「ビジネスマンたるもの常に仕事の事を考えていて、アイディアを探し続けないといけない」
「なにか仕事のヒントになるものを見つけたり、頭に浮かんだらすぐにメモをして、次の仕事に生かさないといけない」
そう考えるのは自由ですが、それをサラリーマンに押し付けられるのも「ちょっと…」に感じてしまいます。
■仕事は楽しい
もちろん、仕事なのでやるべきことをやるのですが、その中でも「やりたくないことをやっている」場合と、「やりたくてやっている」場合があります。
たとえば、何かの制約(予算や人員)があるけど、それをなんとかクリアして達成できそうな方法を見つけた時などは結構楽しいですよね。
私の場合は、プロジェクトやプログラムのネタを考えているときが一番楽しいです。
「こんどはこんなプロジェクトをやってみたらどうだろう?」
「あの問題はこうやって解決できそうだ」
なんていう時間は結構至福の時だったりします。
おそらくポイントは、
・自分の強みが活かせている時
・未来に向かって新しいことをやろうとしている時
のような場合です。
■仕事は苦しい
一方で、会社に行きたくなるような場合もあります。
たとえば、バグがあってそれがなかなか治らない。カットオーバーの日にちはだんだん近づいてくるけど一向に前に進んでいるような気がしないとか、関係者と打ち合わせをするけど関係者の積極性が引き出せずに、逆に反発を食らったりしているような時には、会社に行くのが気が重くなります。
また、なんとかやろうとするけど思うようにリソースを使わせてもらえずに、それさえ解決すればあとは技術的な問題、何ていう状態ではどうしていいかわからなくなってしまったりします。
最悪、その状態で土日に突入すると、家で別のことをしていても、突然そのことを思い出したり、夜中に目が覚めてしまって眠れなくなったり。
そういう状態になると、「もう仕事なんて…」とか「大地震でも起きてくれないかな…」とか考えちゃったりします。
こちらのポイントは、
・義務感が優先している時
・関係者との相対関係が悪い時
みたいです。
「楽しい」「苦しい」どちらにも振れるのは、「制約」です。
制約があるからこそいろいろな工夫が生まれるのであって、その工夫を考えるのは楽しいのですが、その制約が負担に思えるときもあります。おそらく負担自体は変わっていないのでしょうけど、その時の気持ちの向きや方向・強さと言ったベクトルが未来に向いているか過去に向いているかで感じ方が変わるみたいですね。
もちろん、「アイディアを出すこと」や「工夫すること」自体が苦痛で、言われたことを淡々とやっているのが好きという人もいるでしょうから、私の感じている「楽しさ」「苦しさ」も人によっては逆転する場合があるのかもしれません。
■活力源の仕事、ストレス源の仕事
人によって、今の仕事や仕事の状態が、「ああ、早く月曜日にならないかな〜」になるのか「月曜日になっちゃう〜」になるのかは変わります。同じ仕事を与えられていても(完全に同じ仕事である場合は世の中殆ど無いでしょうが)、それがストレスになって潰れちゃう人もいれば、「会社へ来るのがが楽しみ」になる人もいるわけです。
ひとつには、自分が楽しいからと言って他人が楽しいと思わないようにしています。
アイディアを考えるのが楽しい人もいれば、「アイディア出せ」と言われてストレスを受ける人もいるわけです。
アイディアを考えるのが楽しい人でも、ある条件下ではそれがストレスにもなります。
もうひとつは、自分がどういう状態だったら「活力源の仕事」を持つことができるのかを考えるようにしています。
自分の気持ちを前向きにさせてくれる仕事というのは、どんな種類の仕事で、それは自分がどう受け取ったら良いのかというパターンを見つけることができれば、そのパターンにハマるように仕事の流れを誘導することができます。
単に上司に言われた仕事をこなすのではなく、積極的に、自分に都合の良い仕事を上司が出してくれるように誘導するわけです。
そうすれば、すこしはストレスフルな会社も、「まぁしゃ〜ないから会社にでも行くか」くらいにはなれるかもしれません。
どんな仕事をしているときに、自分が楽しいと感じたのかを振り返ってみて、その中でパターンを見つけてみませんか。
パターンが見つかれば、今度はそういう状態にするにはどういう戦略を取ったらいいかを考えてみましょう。
そういうことが嫌な人も見えるかもしれませんが、それすらしなかったら流されるだけです。
それが「楽しい」のであれば仕方ありませんが。