つまり、上司が自分に対して肯定的だと、仕事がすごくしやすくなります。そのように誘導する方法があります。
上司の気分が良くなる方向に部下が持っていけばいいんです。
まあ、聞こえの良くないいいかたをすれば「揉み手」「媚び」「へつらう」「おべんちゃら」とかいいますがね。
だからといって、揉み手しながら上司にくっついて行けとか言うつもりはありません。
■上司の気分を良くする行動
最終的に目的は、自分の会社における活動(「仕事」以外でも会社にいること自体も含めて)がやりやすくなってくれればいいわけです。何かをやろうとしているのに上司に茶々を入れられたり、反対に合わないようにしたいだけです。
そのためには、上司の方針にそっが活動するをすることが第一なのですが、小さな行動もいくつもあります。
たとえば、
・上司にいつも感謝を伝える
・上司の発言をなぞって他人に伝える
・上司の発言を遮らない
・上司の指示は前向きに受け取る
なんてことです。
下の2つは、傾聴講座などでよく言われることなので、説明は不要ですね。省略。
ここでは上2つについて、ちょっと突っ込んで考えてみたいと思います。
■「感謝」を伝える
たとえば、上司に同行して(「カバン持ち」をして)出張した翌日、上司が出勤してきたら「お早うございます。昨日はありがとうございました」と、ひとこと言うだけで、上司の心証は非常に良くなります。
だいたい、感謝されて気分の悪くなる人はいません。
言うだけなら、べつに大した労力もいらないので、こっちとしても大した問題はありません。
でも、これって結構効果が高いんですよ。
大事なのは、次に会った時に、こちらから近づいて行って言うことです。
「歩み寄る」というのは抽象的な意味でも使われますが、行動そのものでも使えます。
そのものずばり、こちらから歩み寄ると相手の印象は良くなります。
たとえ、その出張中、上司の愚痴ばかり聞かされて、「もううんざり」でも!
■上司の発言を「なぞる」
「(上司の)○○課長がおっしゃられる通り…」という発言は、上司を持ち上げます。
発言の引用は、そのもとの発言の権威を認めることになります。結果、もとの発言者は悪い気はしません。
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お願いが L 手な人がよくやる手として、「○○さんが、いつもおっしゃる通り」ということばを使うというものがあります。
これを言われると、当の○○さんは悪い気がしません。実際にそう言ったかどうかは別にして、それほど問題のある内容でない限り、「自分はそんなことは言っていない!」などとは言いません。
むしろ、「この人は、いつも私の発言を気にしてくれているのか」という肯定的な捉え方をします。そのうえでお願いをされると、「この人は、少なくとも私の発青を意識してくれていて、私にお願いをしてきている」という目で見ます。
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:(中略)
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似たような表現では、「いつも、アドバイスいただいている内容を意識して」や「以前、ご指導いただいたことをもとに」、あるいは「以前のご指導を参考にして」なども使えます。
いずれも、お願いする相手を肯定する言葉です。もちろん、あまりにもかけ離れた内容ではダメです。あくまで、その方の考え方に近いことが前提です。
新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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こういうセリフ、結構使えます。
上司が何を言ったのかはおいておいて、上司の言葉を引用するような言い方や、「あなたの意向ですよ」という示し方をすると、根本的に違う場合を除けば、「尊重してくれている」という認識から、判断は甘くなりがちです。
うまくいけば、自分(上司)はそんなこと行ったことはないのに、部下が「(上司の)○○さんがいつも言われているように…」と言えば、「もしかしたらそう言ったかも」と洗脳されてくれたりします。
せっかくなので、うまく使いたいですね。
■上司のモチベーションを上げる
どうすれば上司がその気になってくれるかという事を考えたときに、上司の気分を良くするというのは、すごく大事な要素です。もちろん仕事も大事なのですが、気分良く承認をしてくれるようになると、自分も気分よく仕事ができます。
そのためには、上司のモチベーションの源になっている、「自分の有力感」をちょっとくすぐってやるというのが、小さな一歩かもしれません。
■参考図書 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
立ち読み可 | 常に「上司の考え」を予測しながら動く能力、それが「部下力」。 この「部下力」を身につけることで、上司を上手に動かすことができるようになり、あなたの仕事も効率的に回っていく! 上司は、仕事ができる部下が可愛く思えても、可愛いから仕事を任せるわけではない。また、仕事は一人で進めるものではなく、上司の決裁がないと進まないものがたくさんある。 そこで本書は、一所懸命に実務をこなしていても、なかなか上司に認められない、仕事を任せてもらえない、または、仕事がスムーズに進められないという部下が身につけたい「部下力」を丁寧に解説! |
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分割報告法:報連相の頻度を上げる
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