過去記事でも、いろいろなテクニックをご紹介していますが、本日はおそらく多くの人が学生時代からよくやっているような方法。
何かを暗記するためには、余分な情報を遮断して、それを繰り返し言う、すなわち暗唱するという方法が単純で効果があります。
■暗唱する
おそらくですが、何かをお記憶しようとするときには、自然に目をつぶって、それを心のなかで繰り返すという方法をやって見える方が多いのではないでしょうか。
実際、そのやり方は誰かに教わったわけではなく、子供の頃から自然にやっているようです(私の場合)。
これは科学的に効果があるそうです。
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●目をつぶりながら覚える
直観力やひらめきと関係の深いアルファ波は、目をつぶると出現しやすくなりますが、目をつぶった状態は、記憶力も高めてくれます。
目を開けていると、たくさんの情報が飛び込んできて、一つのことに集中し切れません。
刺激が多すぎて、そちらに気をとられるからです。
目を閉じて記憶をすれば、覚えたいことだけに集中できるでしょう。
よくインパクトが強い思い出のことを、「まぶたの裏に焼きついて離れない」と表現しますが、目を閉じて記憶すれば、本当にそのとおりになるのです。
お寺のお坊さんなどは、長い長い念仏を唱えるときに、たいてい目をつぶっています。
あれは、まぶたの裏に焼きついた仏典を、目を閉じることによってはっきりと思い出しているのでしょう。
目を開けたまま念仏を唱えようとすると、ど忘れしてしまうのかもしれません。座禅を組むときには、たいてい目を薄く閉じるように言われますが、それは、目を閉じると自然に精神が集中するからでしょう。
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:(中略)
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スウェーデンにあるカールスタッド大学の心理学者トーステン・ノーランダー博士たちは、学生たちを真っ暗な部屋に閉じ込めて、意識的に 45 分問ほど、まったく何も見えない状態におくという実験をしたことがあります。
ノーランダー博士たちは、外部からの入力情報が少なくなるほど、私たちは、自分の内面をよく知ることができ、それゆえ頭もよくなるのではないかと考えたのでした。
そしてこの仮説は、実験で本当に確認されました。
真っ暗な部屋に閉じ込められて、外からの刺激から隔離された学生たちは、創造性が高くなり、独創的な意見を数多く出せるようになったのです。
もちろん部屋を真っ暗にしなくとも、自分で目をつぶれば同じ効果は期待できるはずです。
邪魔になる刺激をなるべく頭に入れないように、目をつぶればいいのです。覚えたことをうっかり忘れたときにも、 目を開けたままより、目を閉じて心を静かにすると思い出せることがあります。
かくいう私も、試験中に忘れたことを、目を閉じて思い出せた経験があります。目を閉じると、自分の内面に敏感になれるのです。
伊藤真(著) 『記憶する技術』
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■外部情報を遮断し、記憶したいことだけにする
実際、いつのまにか自然にやるようになっていると、そのやり方の重要なポイントは何かがわからないまま、あるやり方をしている場合がよくあります。こうして説明してもらえるとなんとなくわかったような気がします。
ポイントは2つあります。
・外部の刺激を遮断する
・記憶しようとする対象以外は意識しないようにする
外部情報を遮断するもっともいい方法は、本書のように、真っ暗な部屋に閉じ込められてしまうことなんでしょうけど、イマドキの住宅事情で、周りの音が全く入らない真っ暗な部屋というのは作りようがありません。
最大限にやって、真夜中にやるくらいでしょうか。
もうひとつのポイントがこれまた難しいのですが、私みたいに雑念が多いヤツは、数秒も同じことをひたすら考え続けることができません。
「この英語のフレーズを覚えよう」と思っても、ふと「明日の朝は6時に起きなきゃ」とか「だんだん足がしびれてきたな〜」とか、どんどんどうでもいいことが思い浮かびます。
昨年くらいから瞑想のトレーニングをしていますが、「瞑想初め!」という状態になってから10分や15分は、たいてい瞑想状態にはならず、本当にいろいろなことがぐるぐる回ります。
※で、そのまま瞑想状態にはならずに時間終了、がほとんど。
どうすれば一点に集中できるかというと、瞑想のように「何もない状態」をつくるより、一点に集中するほうが、「相対的に簡単」にできます。
「音を出せばいい」んです。つまり、覚えたいことをひたすら静かな場所でしゃべり続けることです。
頭の中で繰り返そうとすると、雑念が邪魔しますし、雑念を取り払う方法は、簡単ではありません。一方で、声をだすことなら意識してできます。声をだすことによって、声をだすことに集中しますし、耳に入ってくる自分の声が余計な雑念を取り払ってくれます。
静かなところで、覚えたいことだけを繰り返ししゃべる
単純な方法ですが、効果は確かみたいです。
■参考図書 『記憶する技術』
立ち読み可 | 記憶力は、一生、鍛えることができる。 司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。 日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。 60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。 その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。 「記憶する技術」をもっているかどうかである。 それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。 本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。 |
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●関連 Web
記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術』
『記憶する技術』天狼院書店
●本書を引用した記事
記憶術:赤のサインペンで書き写す
記憶術:応用を考え自分の現実に当てはめる
記憶術:凝視する
記憶術:周辺情報を追加する
記憶術:同じような問題を繰り返し考える
記憶術:休み休み、繰り返し
記憶術:意味付けをする
オフラインモードで内面刺激を受ける
記憶術:ガムを噛むと記憶力がよくなる
記憶術:バロック音楽をBGMにする
●このテーマの関連図書
続ける力―仕事・勉強で成功する王道(幻冬舎新書)
考える訓練
夢をかなえる勉強法