2019年09月30日

記憶術:視点を変えて繰り返す


学生時代に復習といえば、勉強したことをもう一度繰り返すことでした。

教えられたそのものを記憶していれば、高得点がとれた学生時代と違い、社会人の勉強は、本に書いてあることを完璧に覚えていても意味をなしません。

それを使って何かをしてはじめて、「使える知識を持っている」と判断されます。

■記憶するには視点を変える


では、暗記から一歩進んで、必要な知識を蓄積するためにはどうすればいいのでしょうか。

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モノを覚えるときには、いろいろな角度から考えてみましょう。それが記憶を鮮明にするには、絶対に必要です。

たとえば、九九の歌を覚えれば、「 8 × 7 」と聞かれて、すぐに「 56 」と正解を出すことができます。ところが、視点をちょっとずらして、「掛けて 56 になるのは?」と聞かれると、ちょっとまごつくかもしれません。

このように、私たちの記憶というのは、視点を変えられるととたんにもろくなってしまうものなのです。

したがって、間いかけ方や視点を変えながら復習することで、記憶を強化していくとよいでしょう。

 「1192 年に鎌倉幕府が開かれた」

という知識だけをくり返し覚えたとしても、「日本最初の武士政権が開かれた年は?」という問題に対処できません。視点を変えて学習していないからです。

本物の記憶には "応用力" が伴っていなければなりません。そして "応用力" をつけるというのは、一つの事象に対して、なるべく幅広い視点から考えることが必要なのです。

一度覚えたことを復習するときには、違った角度から切り込んでみるべきです。

一冊の参考書をじっくりやるより、複数の参考書を使ったほうが記憶の定着率がよくなるのは、そうすることによって、「違う視点」から物事を眺めることができ、応用力がつくからでしょう。

違う視点で眺めると、それまであやふやな知識だったものが、より鮮明になるという効果があります。

うろ覚えだったものが明確化して、本物の知識になるのです。

こうなれば、ちょっとやそっとでは忘れません。いったん覚えたからといって、それで満足してはいけません。

そういう状態は、いわばスタート地点に化ったのと一緒で、そこから深く掘りドげていくことのほうが、ずっと重要なのです。
 :
 :(中略)
 :
知っていることでも、友人にもう一度聞いてみるのも、いい方法です。「○○って、どういうこと?」と質問してみると、友人は自分なりの解釈を加えてそれを説明してくれるでしょう。

すると、自分で覚えたのとは、違った視点から説明してくれるかもしれません。

自分で理解していたつもりでも、友人の視点から聞いてみると、新しい発見があるのは、よくあることです。

仕事を覚えたつもりの人が、友人や先輩に話を聞いて、「もっといいやり方」を見つけることもあるでしょう。

自分の方法に他人の意見をプラスしてこそ、本当に使える知識が手に入るのです。

伊藤真(著) 『記憶する技術
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つまり、すごく単純に行ってしまえば、

 あるテーマについて、別の人から何度も説明してもらう

ことで、そのテーマについての理解が深まっていきます。

たとえば、『7つの習慣』という名著を理解しようと思ったら、『7つの習慣』を読むだけでなく、副読本や解説本、派生本を読み漁ってみるのです。

いわゆる「読書百遍意自ずから通ず」というのも確かにあるのですが、同じことを主張する沢山の本を読んだほうが理解が進みます。

それによって、本体(『7つの習慣』の主張)の理解が進みます。
「ああ、それ読んだよ」で終わらせてみては行けないということですね。


■読んだけど覚えてない


実際、過去にとあるセミナーで

 「『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』を呼んだことがある人、手を上げてください」

と言われて、手を上げた人に講師が

 「じゃあ、(潰れないのは)なぜなのか説明できる人〜」

と聞いいたら、全員手が下がりました(笑)。実に印象的な質問でした。
※ちなみに、私も手を下げたひとり。
※帰宅してから、読み直しました。

もし、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』を読んだことがある人は、ちょっと説明を考えてみてください。



■参考図書 『記憶する技術





立ち読みできます立ち読み可
記憶力は、一生、鍛えることができる。

司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。
日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。
60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。
その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。
「記憶する技術」をもっているかどうかである。
それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。
本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。






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記憶する技術
著者 :伊藤真
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●関連 Web
 記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術
 記憶する技術』天狼院書店

●本書を引用した記事
 記憶術:視点を変えて繰り返す
 記憶術:目をつぶり、暗唱する
 記憶術:赤のサインペンで書き写す
 記憶術:応用を考え自分の現実に当てはめる
 記憶術:凝視する
 記憶術:周辺情報を追加する
 記憶術:同じような問題を繰り返し考える
 記憶術:休み休み、繰り返し
 記憶術:意味付けをする
 オフラインモードで内面刺激を受ける

●このテーマの関連図書


続ける力―仕事・勉強で成功する王道(幻冬舎新書)

考える訓練

夢をかなえる勉強法





■参考図書 『7つの習慣




全世界3000万部(40カ国語に翻訳)以上の発行部数を誇る、自己啓発書の原典。
著者スティーブン・R・コヴィー博士は、英「エコノミスト」誌によって「世界でもっとも影響力のあるビジネス思想家」として紹介されるなど不動の評価を得ている。

本書では人が真の成功を達成し、永続的な幸福を手に入れるには「原則」に基づいたアプ口ーチが重要であるとし、「私的成功」から「公的成功」へと至るための「7つの習慣」として、
 第一の習慣:主体性を発揮する
 第ニの習慣:目的を持って始める
 第三の習慣:重要事項を優先する
 第四の習慣:Win-Win を考える
 第五の習慣:理解してから理解される
 第六の習慣:相乗効果を発揮する
 第七の習慣:刃を研ぐ
を説いている。








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7つの習慣
著者 :スティーブン・R・コヴィー

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●本書を引用した記事
 矛盾す複数の問題を一気に解決する「インクルージョン思考」
 長期課題マット
 考えは伝えられない
 初対面で必ず好意を持たれる振る舞い方
 影響力の武器
 問題は外にある
 3つの習慣part2
 不快な状況を受け入れない
 ニュースを人に説明する
 相手に気持ちよく喋らせる減衰曲線


●関連図書
 
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
 
まんがでわかる7つの習慣
 
7つの習慣 演習ノート―ビジネス、プライベート、家庭で、効果的な人生を送るための 成功への原則がよくわかる!
●このテーマの関連図書


CD-ROM付お金の科学〜大金持ちになる唯一の方法〜

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あなたの夢を現実化させる成功の9ステップ(幻冬舎文庫)



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