学生時代に復習といえば、勉強したことをもう一度繰り返すことでした。
教えられたそのものを記憶していれば、高得点がとれた学生時代と違い、社会人の勉強は、本に書いてあることを完璧に覚えていても意味をなしません。
それを使って何かをしてはじめて、「使える知識を持っている」と判断されます。
■記憶するには視点を変える
では、暗記から一歩進んで、必要な知識を蓄積するためにはどうすればいいのでしょうか。
★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
モノを覚えるときには、いろいろな角度から考えてみましょう。それが記憶を鮮明にするには、絶対に必要です。
たとえば、九九の歌を覚えれば、「 8 × 7 」と聞かれて、すぐに「 56 」と正解を出すことができます。ところが、視点をちょっとずらして、「掛けて 56 になるのは?」と聞かれると、ちょっとまごつくかもしれません。
このように、私たちの記憶というのは、視点を変えられるととたんにもろくなってしまうものなのです。
したがって、間いかけ方や視点を変えながら復習することで、記憶を強化していくとよいでしょう。
「1192 年に鎌倉幕府が開かれた」
という知識だけをくり返し覚えたとしても、「日本最初の武士政権が開かれた年は?」という問題に対処できません。視点を変えて学習していないからです。
本物の記憶には "応用力" が伴っていなければなりません。そして "応用力" をつけるというのは、一つの事象に対して、なるべく幅広い視点から考えることが必要なのです。
一度覚えたことを復習するときには、違った角度から切り込んでみるべきです。
一冊の参考書をじっくりやるより、複数の参考書を使ったほうが記憶の定着率がよくなるのは、そうすることによって、「違う視点」から物事を眺めることができ、応用力がつくからでしょう。
違う視点で眺めると、それまであやふやな知識だったものが、より鮮明になるという効果があります。
うろ覚えだったものが明確化して、本物の知識になるのです。
こうなれば、ちょっとやそっとでは忘れません。いったん覚えたからといって、それで満足してはいけません。
そういう状態は、いわばスタート地点に化ったのと一緒で、そこから深く掘りドげていくことのほうが、ずっと重要なのです。
:
:(中略)
:
知っていることでも、友人にもう一度聞いてみるのも、いい方法です。「○○って、どういうこと?」と質問してみると、友人は自分なりの解釈を加えてそれを説明してくれるでしょう。
すると、自分で覚えたのとは、違った視点から説明してくれるかもしれません。
自分で理解していたつもりでも、友人の視点から聞いてみると、新しい発見があるのは、よくあることです。
仕事を覚えたつもりの人が、友人や先輩に話を聞いて、「もっといいやり方」を見つけることもあるでしょう。
自分の方法に他人の意見をプラスしてこそ、本当に使える知識が手に入るのです。
伊藤真(著) 『記憶する技術』
―――――――――――――――――――――★
つまり、すごく単純に行ってしまえば、
あるテーマについて、別の人から何度も説明してもらう
ことで、そのテーマについての理解が深まっていきます。
たとえば、『7つの習慣』という名著を理解しようと思ったら、『7つの習慣』を読むだけでなく、副読本や解説本、派生本を読み漁ってみるのです。
いわゆる「読書百遍意自ずから通ず」というのも確かにあるのですが、同じことを主張する沢山の本を読んだほうが理解が進みます。
それによって、本体(『7つの習慣』の主張)の理解が進みます。
「ああ、それ読んだよ」で終わらせてみては行けないということですね。
■読んだけど覚えてない
実際、過去にとあるセミナーで
「『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』を呼んだことがある人、手を上げてください」
と言われて、手を上げた人に講師が
「じゃあ、(潰れないのは)なぜなのか説明できる人〜」
と聞いいたら、全員手が下がりました(笑)。実に印象的な質問でした。
※ちなみに、私も手を下げたひとり。
※帰宅してから、読み直しました。
もし、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』を読んだことがある人は、ちょっと説明を考えてみてください。
■参考図書 『記憶する技術』
立ち読み可 | 記憶力は、一生、鍛えることができる。 司法試験界の「カリスマ塾長」として知られる、「伊藤塾」塾長の伊藤真氏は、こう断言する。 日本で最難関の試験といわれる司法試験に合格するためには、膨大な量の事柄を覚え、それを使いこなすことができなければならない。 60歳を過ぎてから勉強を始めて、合格する人もいる。 その人たちは特別なのかといえば、そんなことはない。 「記憶する技術」をもっているかどうかである。 それはたとえば、記憶を効果的に定着させたり呼び覚ましたりするためのコツや、記憶する対象に関心をもつといった意識のことである。 本書では、これまで多くの塾生を指導してきた中で、また著者自身が実践してきた、「記憶」を自由自在にコントロールする方法を伝授する。 |
◆アマゾンで見る◆ | ◆楽天で見る◆ | ◆DMMで見る◆ |
記憶する技術 著者 :伊藤真 | 楽天では見つかりませんでした | 記憶する技術 検索 :商品検索する |
●関連 Web
記憶力を養えばストレスフリーな生活が!伊藤真『記憶する技術』
『記憶する技術』天狼院書店
●本書を引用した記事
記憶術:視点を変えて繰り返す
記憶術:目をつぶり、暗唱する
記憶術:赤のサインペンで書き写す
記憶術:応用を考え自分の現実に当てはめる
記憶術:凝視する
記憶術:周辺情報を追加する
記憶術:同じような問題を繰り返し考える
記憶術:休み休み、繰り返し
記憶術:意味付けをする
オフラインモードで内面刺激を受ける
●このテーマの関連図書
続ける力―仕事・勉強で成功する王道(幻冬舎新書)
考える訓練
夢をかなえる勉強法
■参考図書 『7つの習慣』
◆アマゾンで見る◆ | ◆楽天で見る◆ | ◆DMMで見る◆ |
7つの習慣 著者 :スティーブン・R・コヴィー | 7つの習慣 検索 :最安値検索 | 7つの習慣 検索 :商品検索する |
●本書を引用した記事
矛盾す複数の問題を一気に解決する「インクルージョン思考」
長期課題マット
考えは伝えられない
初対面で必ず好意を持たれる振る舞い方
影響力の武器
問題は外にある
3つの習慣part2
不快な状況を受け入れない
ニュースを人に説明する
相手に気持ちよく喋らせる減衰曲線
●関連図書
完訳 7つの習慣 人格主義の回復
まんがでわかる7つの習慣
7つの習慣 演習ノート―ビジネス、プライベート、家庭で、効果的な人生を送るための 成功への原則がよくわかる!
●このテーマの関連図書
CD-ROM付お金の科学〜大金持ちになる唯一の方法〜
CD‐ROM付図解成功の9ステップ
あなたの夢を現実化させる成功の9ステップ(幻冬舎文庫)