2020年08月31日

議論が進まないときの4つの対応方法

何かを提案した会議のファシリテーションや議事進行をしていると、議論がなかなか進まない状態に陥る時があります。

大抵の場合は、公式には「やるべき」なんだろうけど、「やりたくない」とか「そんな工数はない」とかの問題があって、メンバーの腰が引けている状態なことがおおいです。
まあ、「わっかっちゃいるけどね〜」状態。

こういう状態に陥ると、いくら議論しても、ほぼ無駄です。
相手は理屈的には説得されているので、納得する理由をさらに提示しても、絶対に「やるべし」という結論は出てきません。

相手はやらなくていい理由を一生懸命探しているので、空中戦になるか、水掛け論になるか、揚げ足取りになるか、ってとこです。

そんな状態を打破する方法がいくつかあります。

■腰が引けた相手に決断を促す方法


これが心理学なのか?

と思っちゃいましたが、本書にポイントがまとめられています。

★(45)〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●動かしにくい相手を動かす4つのテクニック
 あまり乗り気でないお客、こちらの話に興味を持ってくれない相手を動かすには、テクニックが必要だ。心理法則を利用して4つの観点から相手を攻めてみよう・

いくら説得を続けても動かない場合には、以ドの 4 つの項目を参考にしよう。

・交渉が停滞していたり、相手が乗り気でない場合には、「時間的圧力」をかけてみる
 アメリカの交渉研究家カーネべイル博士らは、こういう場合は「時問的圧力」が有効だと説いている。「あと 10 分で今日の話し合いを切り上げたいと思います」というやり方で、相手に問題を考えさせるのだ。

・攻めてもタメなときには、いっそのこと「冷却期間」をおいてみる
 このテクニックは「交渉行動」の著者、プルーイット博士が提案しているもので、一切のアプローチをやめてしまうことだ。交渉が激化してギスギスした関係になるよりも、冷却期間をおくことで、お互いの頭を冷ますメリットがある。

・第三者を「調停役」として介入させる
 お互いのパワーバランスが均衡している場合や、お互いが一歩も妥協しない場合、そのまま放置すると交渉自体が決裂しかねない。こんな場合は、善意の第三者に頼んで調停してもらったほうがよい。
 第三者にゲタを預けることで、相手のメンツをつぶさずに交渉を乗り切ることができる場合があるからだ。

・決まったところまでを「要約確認」してみる
 最後の最後で交渉が決裂してしまうことがある。人間はいったん感情的になると、それまでのいきさつや利害をきれいに忘れてしまうのだ。そうした感情を抑えるためには、頭が冷静なうちに、相手との共通利害をくどいほど確認しておくことだ。

内藤誼人(著) 『図解 3秒で相手を操る!ビジネス心理術事典
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ようするに、

 ・期限を切る
 ・一旦、切り離す
 ・第三者を入れる
 ・合意したことを確認する

の4パターンです。


■期限を切る


これは、相手が返事を先延ばししようとしているときに有効な手段です。

冒頭に述べた、理屈は合意したものの、一向に「やる」とは言わない状態のときに有効。
ただし、単に「××までにYES/NOの返事をください」と言っても効力はありません。

私がよく使う強制力のある期限の切り方は

 「○○専務に××日に報告することになっていますので、××日までに YES の返事をください」

といい切ってしまうこと。共通の上司である人に

 「△△さんがやってくれないので停滞しています」と報告しますよ。
 それでもいいんですね。

って圧力をかけるわけです。

 YESなら波風は立たないよ

多くのサラリーマンは、上司の上司には悪い面で自分の名前を報告されたくないので…

■一旦、切り離す


これは、提案の内容をこちらから修正して、議論している相手が一時的にいなくても活動が進むようにしてしまうことです。
それによって、その相手が活動の障害になることはなくなります。

逆に言うと、その相手は、その活動が重要なものであると認識していれば、組織における自分の立ち位置が弱くなることになります。結果として、提案に対する合意への圧力になります。

■第三者を入れる


提案は提案者とそれを受け入れる人がいるわけですが、この2者関係だけでは解決しないことがあります。

たとえば、社内のプロセス改革をしようとしたら、その社員がやるよりも、コンサルタントが入ってくれたほうが活動が進みます。これは第三者効果と私が読んでいるもので、直接の利害関係者でない人のアドバイスは、案外有効だったりします。

■合意したことを確認する


これは純粋に心理学的なテクニックなのですが、前提条件となっていることや、小さな合意を積み重ねることで大きな合意を得ることができます。

つまり、A、B、C、Dの3つの課題があるときに、最終的な結論 D に合意が貰えないとすると、

 A については合意でよかったですね
 B についてもよいですよね
   :
   :

と相手に "YES" をなるべくたくさん言わせることで、最後についても "YES" といいやすく誘導できます。

このやり方は、おおくの交渉術にでてきます。
たとえば、こちら

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「予算案に関しては、お互いの意見が一致していますね」

と、たとえ小さな点でも一致していることを相手に気づかせることができれば、第一段階は成功だ。

いったん小さな「イエス」を引き出せれば、心理的な抵抗感が少なくなり、次の「イエス」も得やすくなる。
一致する部分を見つけ出し、その都度それを提案することで、小さな賛成を債み垂ねていき、最後に大きなイエスを得ればいいのだ。

だから会議などで、反対されそうな案件を出す時は、相手の賛成を得やすい部分から意見を求めるとよい。

 「この場で、すべてきっちり決めてしまいましょう」

と言うと、相手もなかなか賛成しづらくなる。

 「まずは、○○についてですが、これは問題ないと思いますが……」

というような言い方をすれば、それならいったん譲っておいてもいいかと、相手を楽な気分にさせることができろ。そうなれば、最終的に賛成意見を得られやすい状況ができるというわけだ。

富田隆(著) 『この「ひと言」で相手が動く! ことばの心理テクニック
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ただ、このやり方は事前の準備が重要です。
提案をなるべく細かく分解しておいて、その順番を相手が合意してくれそうな順番に並べなおしておく、みたいな作業が必須です。

これが、その場で頭のなかでやれる人ならいいですねど…。



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目次





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●このテーマの関連図書


面白いほどよくわかる!臨床心理学

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え





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●本書を引用した記事
 しぐさで会話をコントロールする方法
 大勢の前でプレゼンするときはZ目線が有効
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 ソフトに会話する(作用反作用の法則)
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 議論が進まないときの4つの対応方法
 上司の嗜好に合わせる

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ビジネス説得学辞典―交渉を支配する986の戦略・理論・技法



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posted by 管理人 at 04:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 会議術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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