2020年12月28日

引き継ぎをする

サラリーマンは、だいたい期末や期初に業務や担当が変わったり、昇進昇格によって仕事内容が変わったりします。そのときに、以前その業務をやっていた人がいるはずですよね。あらたに仕事を作ったのではない限り。

そういうときに、前任者からきちんと引き継ぎをしてもらってますか?

実はわたしは引き継ぎをしてもらった経験があまりありません。

■知らない人が困っても痛くも痒くもない


一番仕事で困るのは、「その前がどういう状態だったのか」がわからないときです。
もちろん、ひとりでやるわけでもありませんし、会社としても関係者全員とっかえなんてことをしたら仕事が回らなくなるのは明らかなので、ある程度の人数は残して一部を徐々に入れ替えるようにはするでしょうが、新しく入ってきた人にとっては、まったく不可解な習慣が不可解なルールに基づいて実行されているわけです。

引き継ぎほど困ることこの上ありません。

引き継ぐ側は「あたりまえ」だと思っているけど、引き継がれる側は「はじめてのこと」だったりするので、意思疎通がまったくできなかったりしたことがあとになって判明する、なんてことが日常茶飯事。


★P90〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

●前任者との引き継ぎに注力せよ
ルール29において「就任時がチャンス」と述べましたが、同時に「就任時はビンチ」でもあります。

ピンチとチャンスはいつだって一体なんですね。

何のピンチかといえば、新しく就任して、課のことをまだ何もわかっていないのに、上司も部下もお客様も取引先も、周囲はあなたを新参者扱いなどせす、以前から当たり前に課長のポストにいたかのように接し、管理職の一人として職務相応の業務水準を要求してくるからです。

そんなとき、「引継ぎ」は闇夜の灯台のことし、あなたの最初の、大事な道標になります

所長、トップクラスでもない限り、「引継ぎ行為」自体は、人事上決められた制度にはなっていないかもしれませんし、あなたが就任したときに、前任者は入れ替わりで別の土地へ異動してしまって顔合わせもできない状態かもわかりません。

それでも、可能な限り「引継ぎ」は行ってもらった方が良いのです。

仮にそれが「ペラペラの薄い引継ぎ書」であっても、まったく「何もない」よりは、「作成してある」に越したことはありません。

この場合、あなたが着任前で(まだ前の営業所にいるときに)、新しく上司となる方に依頼しておいて、上司からの指示で、前任の課長に「引継ぎ書」を作成しておいてもらうといいでしよう。

さらに、作成したその引継ぎ書の内容を、前課長と上司(である部長・部次長等)とで、読みあわせながら内容をチェックしてもらえればなおべストです。

吉江勝(著) 『課長のルール
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本書には引き継ぎにおいて何を引き継ぐべきか、については書いてありませんが(あちこちに分散して書いてあります)、具体的には以下の様なことです。

 ・直近1〜2ヶ月でやるべきこと/計画
 ・今年度やるべきこと/計画
 ・部方針や業務分掌の解釈
 ・定常的にやっていること

とくに、最初の「直近1〜2ヶ月でやるべきこと」は重要で、業務を引き継いで間もないころは、どこにどういう業務があって、それは誰が実行すべきなのかが全く理解できません。

一方で本書の通り、「新任者であっても前任者と同等の知識があるものとして扱われる」わけです。

めちゃめちゃストレスフル。

■前任者と話し合うこと


こういった引き継ぎ資料は、前任者はなかなか作ってくれません。

前任者も当然新しい仕事が来ているわけで(定年退職などでなければ)、その仕事になれるのに必死なわけです。
そんななか、過去の仕事の資料を作れと言われても、そんな時間的余裕も心の余裕もありません。

なので、引き継ぎは事前にやるべきことなのです。

そしてたっぷり時間を取って聞き取り調査をしないと、「あ〜。そんなの適当でいいよ」と言われても、自分に「適当」の判断基準がないことをちゃんと訴えて、「たとえば、直近したことは何?」みたいな具体的事例として聞くのがいいです。

これには副次的な効果があって、前任者と親しくなれます。親しくなれなくとも、少なくとも長時間話し合ったという経験があれば、次に話をしやすくなるでしょう。顔も見たことがない人から相談を受けても親身になれないですしね。

■固有名詞の前任者と一般名詞の前任者


まあ、当たり前ですが、人間は他人の痛みはわかりません。自分の過去の痛みも、正確な記憶ではなく「痛かった」という感情の記憶だけです。痛みそのものはわかりません。

もちろん、ミラーニューロンみたいな物があるので、擬似的には感じられるかもしれませんが、それは相手を知っているときであって、自分の知らないところで誰がどんな痛い思いをしようが、創造することすらできないのではないでしょうか。少なくとも私は。

見知った人は他人ではありません。顔や声などと結びついた固有名詞を持った人です。
その人が困っていれば、多少なりともミラーニューロンが働きます。それでようやく助けてもらえるわけですね。

困ってから「助けてくれ」ではなくて助けてくれる関係を作っておくことが第一の目的です。



■参考図書 『課長のルール





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課長という仕事は大変なことだけではありません。本書では上司・部下との付き合い方はもちろんこれからますます重要となるコンプライアンス問題、クレームや社内トラブルまでこれからの課長に求められる心得や対処法が満載です!

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posted by 管理人 at 04:00| Comment(0) | 仕事術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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