こういうのって、それに近いことをやった経験自体も必要ですが、経験を積むためには、「やった」だけではなくて「測った」「予測と実績の差の理由を考えた」という経験がないとなかなか精度が上がりません。
■予測精度をあげるために記録をつける
予測精度が上がるとどんないいことがあるか、についてですが、普段はあまり役に立ちません。
長期の課題なら、その作業をどのくらいで終わる事ができるかというのは、かなり状況に依存します。要は他の仕事の忙しさ具合や、その仕事を一緒にやる人の能力に左右されます。
なので、これにかかる時間を予測したとしても、あまりアテにはなりませんし、役に立つことも多くないです。
結局、上司が、「来月いっぱいまでにやれ」という締め切りだけが有効………と。
一方で短期的な仕事には、見積もり精度が役に立ちます。
たとえば、このブログ、1本だいたい30分前後で書き上げます。
つまり、「お、30分ほど空いた」となると、このブログに手を付ければ、その空き時間にひとつ記事がかける可能性が高いです。
ただし、前後することはあるので、30分きっかりだと、始めるべきかどうかはちょっと迷います。40分あればほぼ8〜9割は完成まで持っていけます。
おなじように、自分だけで完成できるタスク(私は Next Action とか ToDo と呼んでますが)はかなりの精度で見積もりができます。
その結果、今日は A と B と C をやったら多分1日は終わりだな、とかめどが立つわけです。
これをメドがないまま始めてしまうと、たいていは欲張って今日のタスクを決めるので、残業になるか、時間切れでやりかけのまま帰宅となります。
学生時代に多くの人が夏休みなどにやる勉強スケジュールを決めたと思いますが、スケジュールを作っているときは、モチベーションが高いですしやろうと思っているので、1日に国語と算数と社会の復習と宿題を10ページづつ、水曜日と土曜日は理科を加える…とか決めるわけです。まあ、それぞれ1時間位やればなんとかなるだろう、みたいに考えて。
で、実際にやり始めるとモチベーションが下がってしまって、結局1時間机に向かっていただけ・・・とかと同じですね。
で、夏休みの終わりにはやってない宿題の山ができて途方に暮れる、と。
■作業時間を意識する
どの程度のタスクならどの程度で完了するかは、その人の能力にもよりますし、事前の情報収集にも依存します。それをちゃんと記録に残していれば、レビュー時に「こうすると早く作業が済むようになるのか」とか、「ここの見積もりは甘かった」とか反省の仕様があるわけです。
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●ダラダラ癖から抜け出すための10の法則
自分の価格はそんなに高いにもかかわらず、自分は毎日、どんなことをしているのだろうか?
個々人の時間は本人にとってはもちろんだが、は自分の時間の使われ方を知るために役に立つ。会社にとっても貴重である。
時間日誌をつけることたいていの人は、時間日誌をつけようという提案に強く反発する。
ただでさえ仕事が多すぎるのに、これ以上労力や時間をかけさせられてはたまらないなどと思う。
何に時間を使っているかは自分でよく知っているから、時間日誌などは無用だというわけである。しかし、ほんとうにそうだろうか?
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:(中略)
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たとえば、上司に「明日の夕方までにこの調査についての報告書を提出してくれ」と命令される。
時間日誌をつけたことのない人が、それが三時間ぐらいかかると判断し、午前中にこれをやる予定を立てた。
ところが、実際にやりはじめると部下からの相談、電話が相次ぐ。全部断わったが、そのたびに中断して午前中は三分の一もできなかった。午後になっても同じ状況が続き、約束の時間までにはできたが、「不出来で申し訳ありません」と謝らなければならなかった。
一方、時間口誌をつけている人は、午後から報告書を書く予定を立てた。午前中は部下の相談、電話が殺到することを知っていたからである。
そして、午後はすべてをシャツトアウトすることを秘書に告げ、会議室で満足できるものを書き上げた。こういう差が出るのである。
メリル・E・ダグラス(著) 『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』
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自分がどのように時間を使っているのか、記録をしてみるのはどうでしょうか。
本書では「時間日誌」として、一時間ごとに予定と実績を記録するように薦めています。
私はアウトルックを使って、そこに計画を入れ、そのよこにさらに実績を入れるようにしています。
一週間の予定は、日曜日か月曜日の早朝に、主要なものを入れ、当日の朝に空いている部分を埋めます。
もちろん、それ以前に入れているものももありますが。
ただ、よく実績を記入するのを忘れるので、安全弁として以前紹介した ManicTime でどんなアプリを開いていたかを記録してます。
忘れてても、それを見れば、あ〜これは○○プロジェクトだ、とわかりますから。
ポイントは、スケジューラには予定と実績の二つを比較できるように入れることです。
その時間の使い方がいいかどうかは、何かと比較しないとわかりません。
比較対象は、「計画」と「実績」が一番単純。もっといいのは「あるべき姿」なのですが、これは結構曖昧なので。
身長180cmの人の背が高いかどうかは、他の人と比較しないとわからないんですよ。
作業が長いかどうかは、他人と比較してもあまり意味がありません。過去の自分と比較しないとわからないんですよ。
作業の時間記録残すようにしてみませんか?
本当は、条件などを詳しく書き残したほうがよりよい分析ができるのだと思いますが、数字ににして書くだけでも、それが意識に上るようになります。
もうひとつ、作業時間を意識すると、作業をしているときに、余計なことをしなくなります。測定値が狂っちゃうので、「あ、そういえばあのプロジェクトの会議案内を送ってなかったな」とか思っても、「いやいや、これが終わってから」って思えるようになります。
測定していると思うと集中力が上がるという副次的な効果も。
もちろん、思いついたことは、手元にメモしておきますよ。
でも1時間後には、「わざわざ時間を使って調べるまでもないな〜」みたいに思っちゃいますが。
■参考図書 『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』
![]() | 「ハイ」と返事をしてもやらない、「その場しのぎ」の仕事をする、優先順位がメチャクチャ…なぜ仕事ができない人は「習慣的」に時間をムダにするのか?1980年の刊行以来、時間管理と仕事の進め方のコツを伝授する名著としてアメリカで読み継がれてきた超ロングセラーが登場。 |
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![]() 「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック 著者 :メリル・E・ダグラス | ![]() 「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック 検索 :最安値検索 | ![]() 「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック 検索 :商品検索する |
●本書を引用した記事
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習慣を改める習慣をつける
今やれ、すぐやれ、早くやれ
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集中力のいる作業の前には準備体操をする
本とともに暮らす
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面接質問「どんな貢献ができますか?」
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