2020年04月06日

やってはいけない睡眠学習

随分昔ですが、「睡眠学習」というのが流行りました。寝ている間に英語のテープなどをかけっぱなしにしておくと、自然に英語が身につく、というようなやつ。いまだに学会では睡眠学習に関する報告がなされているみたいですね。

Wikipediaによると
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1924年のJenkinsとDallenbachによる、記憶は覚醒中よりも睡眠中のほうが保持率が高いという実験結果[:en]が曲解されたという形で、記憶したい事を睡眠中に聞くだけで覚えられるという勉強法が生まれた。


日本では1960年代に枕にテープレコーダーを組み込んだ睡眠学習機器が発売され、1970年代には大ヒットとなり累計50万台を売り上げた。

だが、この勉強法の場合ではテープに覚えたい事を吹き込む過程などで眠る前に記憶する事はあっても、睡眠中に聞くだけでは記憶する事はできないという認識が広まった事から睡眠学習機器は市場から姿を消した。
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なのだそうな。


■睡眠学習に関する学術的研究


Wiredという本にこんな記事が載っています

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寝ている間に新しい事柄を完璧に学ぶことは可能だという。『ネイチャー』で発表された革新的な研究は、あらゆる学生に希望を与えるだけでなく、よく寝る人々に対する偏見をも打ち払うことになるだろう。

睡眠が記憶と認知能力を高めることはすでに知られていたが、いま、最後の壁が打ち崩される。眠りつつ学習すること(もしくは勉強しつつ眠ること)は可能なのだ。

研究は、イスラエル、レホヴォトのワイツマン科学研究所のものだ。神経科学研究者ノーム・ソーベル率いる研究者たちは、「古典的条件付け」として知られる単純な学習技術を用いて、 55人の参加者たちに、寝ている間に匂いと音を関連づけることを教えた。

被験者は睡眠中、クリームやシャンプーのような心地よい匂いと、腐敗した肉や魚のような不快な悪臭に繰り返し晒された。続いて、それぞれに合わせて特定の音を聴かされた。すると、完全に無意識の状態下で、彼らはそれぞれ、目覚めた後でも正しい組み合わせを学んでいた。
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 :(中略)
 :
研究者たちは説明している。「睡眠中に学習を行う能力に関係している神経網が、日中にわたしたちが用いている神経網と同種かどうかをまだ発見しなければなりません。現在、わたしたちはこの発見を、患者の症状を改善するために利用する方法も探しています。さらに、どのような脳のメカニズムがこの能力に関係しているか、 そして昏睡状態のような意識の状態で利用することが可能な教育の種類がどのようなものかを、もっと深く知りたいと考えています」

出典:Wired
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どうやら、その可能性はありそうですね。

■睡眠学習で効果が得られるか


ビジネス書ですが、『脳を活かす!必勝の時間攻略法』にはこのような記述があります。

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●やってはいけない!睡眠学習で得るのは悪夢だけ!
みなさん、睡眠学習をご存知でしようか。覚えたい事柄をカセットテープに録音しておき、それを眠っている間に枕元で流して記憶するというものです。もう 20 年以上前、私が中学生だった頃には、かなり流行したものです。

眠っている間に勉強ができたら、こんなにありがたいことはありません。本当に効果があるとしたら、これぞ、まさに文字通り、夢の勉強法です。

当時、新しいモノ好きが多い灘中学の生徒の間ても大ブレークしました。もちろん、私も、効果については半信半疑ではありましたが、この新しい学習法に飛びついたのです。
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 :(中略)
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人間は睡眠中に音や振動を感じれば、自動的に睡眠が浅くなる仕組みになっています。

今でこそ安全な環境のもとで眠れるようになりましたが、人類は長い間、眠っている間も、常に外敵から襲われる危険にさらされていたのです。自分の周りに異変が起こったとき、すぐに目覚めて速やかに対処できなければ、生き残ることはできませんでした。

そのためには、何か刺激を感じたら、とりあえず深い眠りから浅い眠りへと変化させておいて、いざというとき、すぐに起きられるように準備しておく仕組みが必要だったのです。

特に、睡眠学習の場合のように意味をもった言葉が聞こえてくれば、なおさら、睡眠は浅くなるものです。こうした機能を持っているからこそ、私たちの祖先は、危険を知らせる仲間の声を聞いて、すぐに逃げ出すことができたわけです。枕元で言葉が聞こえたら、睡眠が浅くなってしまうのは、よくよく考えれば当然のことなのです。
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 :(中略)
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ところが、その後、レム睡眠の役割が次第に明らかになってきました。

現在では、この時間帯に、海馬に蓄積された短期記憶を大脳の側頭葉に移し替え、長期記憶として定着させていることがわかっています。

レム睡眠は無駄な時間などではなく、もともと記憶にとって大切な働きをしていたわけです。

この時間に外から刺激を与えて眠りを浅くしてしまえば、記憶の移し替えという大切な作業が滞ってしまいます。

つまり、睡眠学習とは暗記に役立つどころか、記憶の足を引っ張る行為だったのです。

効率よく記憶しようと思ったら、ぐっすりと眠ることです。そうすることで、日中に勉強して覚えた短期記憶を確実に長期記憶に移し替える作業を行えばよいのぞす。

吉田たかよし(著) 『脳を活かす!必勝の時間攻略法
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私も断然こっちの考え方を支持。
音があったり光が合ったりすると寝付けないタチですし。

ただ、上記の論文などを読んでみても、「学習」といえるほど複雑なことを睡眠中におぼえられるわけではなく、単純な「臭い」「音」などレベルのものを覚える程度にしか役に立たなさそう。

それよりも、本書のように寝る直前に本などを読んで、睡眠によって記憶に定着させるみたいな睡眠学習が効果がありそうな気がします。

「覚えたいこと」を少しづつ寝る前に読んでみてはいかがでしょう。

最近、統計学を勉強しはじめたので(かれこれ半年以上になりますが)、教科書(?)を数ページずつ読んでから寝るのが、最近のルーチンワーク。



■参考図書 『脳を活かす!必勝の時間攻略法




一日を26時間に増やす35の鉄則を大公開!

灘高→東大、元NHKアナウンサーにして医師であり、衆議院議員公設第一秘書も務めた「奇跡のマルチ人間」が最新の脳科学に基づいた時間活用法を初めて明かす!
}
時間攻略の方法は3つしかありません。

 1日の実質的な時間=(24時間−睡眠時間−無駄な時間)×脳の活性度

この方程式から、1日の実質的時間を増やすには、次の3つの方法しかないことがわかります。

 1.睡眠時間を削る
 2.無駄な時間を削る
 3.脳の活性度を高める

時間の活用について、多くの本は2の無駄な時間を削るという点にばかりとらわれているようです。ただし、この方法で増やせる時間は限りがあります。1も2も引き算の項目だからです。

これに対して、脳の活性度だけは掛け算の項目だということに注目してください。

この項目が2倍になれば、実質的な時間は2倍。この項目が3倍になれば、実質的な時間も3倍になります。
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脳を活かす!必勝の時間攻略法
著者 :吉田たかよし
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●本書を引用した記事
 システム手帳は使わない
 スタートメニューによく使うファイルをピン留めする(Windows10)
 ダラダラ癖から抜け出すための10の法則:能力以上の成果を出す目標の建て方
 Excelで面倒な繰り返し作業を簡単にするF4キー
 優先順位を正確に意識する
 メールはプルシステム1
 カレンダー活用術
 通勤どこでも仕事術:平積みにしておくと読書モチベーションが復活する
 無言で書類を受け取らない
 考えるときにはペンを持つ

●このテーマの関連図書


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posted by 管理人 at 09:43| Comment(0) | ヒント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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