ようは上司に、名前と人脈を貸してください、とお願いする形になります。
「××の案内のメールを発信してください」
「関係者にトリガになる連絡を出してください」
など。
こういうときに、文面や宛先などを上司に考えてもらうのは、部下としてはちょっと気が利かないと言われてしまうかも。
■下書きを作る
他人の名前で発信してもらうときには、下書きを作って、それを発信者自身に校正と発信をお願いすると、発信する人は面倒がなくて済みます。
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たとえば、このようなケースを考えてみましよう。
自分が担当している仕事で、社内に根回しが必要となったとします。そのための声がけを、自分でやったのでは影響力がやや弱い。そう判断したとすると、必然的に声がけの発信を上司にお願いすることを思いつきます。そして、発信をお願いするメールを打ったとしましょう。たとえば、このような文面です。
:
:(中略)
:
1.関係する部署と宛先を特定する
2.今回のプロジェクトの背景を説明したうえで、協力を要請する文章を作成する
3.いつ、自分の部ドが説明にうかがうか、ということを明記して発信する
この1〜3の作業をフォローしてあげるのです。
文章そのものをすべて作る必要はありません。まず、メールの宛先を選定するのがなかなか面倒な作業です。
以前、部下からこのようなお願いをされたとき、「では、送ってほしい人の宛先を送っておいてくたさい」とお願いしました。
すると、部下からは、その名前がずらりと書かれたメールをもらいました。
しかし、これでは不十分です。その名前の方々の、メールアドレスの一覧がほしいのです。それがあれば、宛先にコピーして貼り付けるだけでいいからです。
この「ひと手間」がほしいのです。
そして、背景についての短い説明文といつ自分(部下)がうかがうか、という情報を記載した文章を付け加えます。
それも、コピーして貼り付けるだけでいいようにしておくのです。
新名史典(著) 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
―――――――――――――――――――――★
これは私もよくやります。
その際に、送ってほしい文章と、自分から上司へのお願い部分がはっきりわかるようにしておくと一番いいです。
たとえば、以下のようなものです。
☆――――――――――――――――――――――――――
○○部長
先程お願いしました、○○プロジェクトの案内メールですが
以下のように下書きを作ってみました。
お手数ですが、ご確認の上、関係者に発信をお願いします。
-------------
To:aaa@bbb.com,xxx@bbb.com,………
Cc:aaa@bbb.com,xxx@bbb.com,………
関係各位
先に社長より発信のありました○○プロジェクトについて、
本メールで To になっている方に活動をお願いしたいと思
います。
つきましては以下の日程でキックオフミーティングを行い
たいと思いますので、ご予定を調整の上ご参加ください
:
:(中略)
:
-------------
――――――――――――――――――――――――――☆
■マーカーを使う
この記事でもそうですが、引用部分は色を付けて、その前後を★―――★で囲んでいます。
こうしておくと、その部分が他の部分と異なることが簡単にわかります。
こうした文章のグループを表す記号を付けておくことで、文章を読みやすくしたり、引用されやすくなる工夫をしておくと、受け取った人が楽ができます。
これは大した方法ではなく、クリップボード管理ツールに定型文を登録しておくだけです。
これをブロックマーカーと読んでいまして、私がよく使うパターンは
★〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
うんぬんかんぬん
ああでもないこうでもない
―――――――――――――――――――――★
▼━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
うんぬんかんぬん
ああでもないこうでもない
▲━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━▲
◇―――――――――――――――――――――――
うんぬんかんぬん
ああでもないこうでもない
――――――――――――――――――――――――◇
こんな形です。
ちなみに、メールアドレスを本文に記載するときには、アドレスをカンマ区切りにして1行に全部入れちゃうと、コピペで宛先に設定できるので便利です。
To: aaa@bbb.co.jp,aaa@bbb.co.jp,aaa@bbb.co.jp
Cc: aaa@bbb.co.jp,aaa@bbb.co.jp,aaa@bbb.co.jp
で、これを「メールアドレスの部分を宛先の入力ボックスに貼り付けてください」とお願いすれば、ひとつづつコピペする手間が省けます
■下書きメールを添付する
もう一つの方法は、実際に自分で下書きメールを作成して、それを添付ファイルとして上司に送ってしまうと、上司はその添付ファイルを開いて、自分名で送信すれば出来上がりなので手間は極小になります(コピペ自体が必要ない)。
ただし、メールアプリによっては From が書き換えられない場合もありますので、事前にテストをしておくか、送信者にその旨注意をするように伝えておく必要はあります。
私が使っているアウトルックでは送信者が変えられませんでしたので、このやり方は不可でした。
■いかに相手の手間を省くように工夫しているか
結局、相手、特に上司などの役職の人にお願いするときには、作業を細かく分割して、上司の作業を極小化してからお願いするようにすると上司としては「コイツの頼みはそれほど手間ではない」と認識してもらえます。
これは何かを頼むときに、引き受けて貰える確率をあげます。
逆に、「こいつはいつも面倒なことを言ってくる」と思われてしまうと、あまり深く考えずに拒否される場面も出てきてしまいます。
まあ、せめて上司には「気の利くヤツ」くらいに思われておくと、仕事をする上でちょっといい思いができるかも。
■参考図書 『上司を上手に使って仕事を効率化する「部下力」のみがき方』
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●本書を引用した記事
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上司にもアポイントメントを取る
バカな上司の下でも成長できる仕事術1
他人に軽く扱われない技法
面接で「年上の部下・担当者への接し方」を聞かれたら2
部下力のみがき方1:部下力のみがき方
部下力のみがき方3:キーメッセージ
報連相の手段―上司を捕まえる
不快な状況を受け入れない
新しいシステムには一番協力してほしい人の名前を入れる
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