私はビジネス書の場合には、主に Acrobat Reader(Android) と SideBooks(iphone)、Kindle、マンガや小説なら、PerfectViewr(androiod)だったのですが、最近はスマホに入っているだけで、めったに使わなくなりました。
GooglePhoto を使うようになったためです。
■GooglePhotoのメリット
自炊本(電子書籍)リーダーとして専用のツールのメリットは、やっぱり「読む」というところに特化して作られている点でしょうか。
ページをめくる操作もカスタマイズできますし、きれいなアニメーションもしてくれます。
青空文庫や ePub ならフォントを指定したり、文字の大きさ、ページの文字数なども処理できます。
一方で私が不満だったのは、蔵書すべてを持ち歩くことができないこと。
私の環境だとビジネス書だけでも2000冊超あります。マンガや小説、雑誌のバックナンバーを含めれば万のオーダーです。
もちろん、マンガなんて、だいたい1回読めば終わりですので、それが持ち歩きたいわけではありませんが、やっぱり何度か見直す物もあります。ビジネス書だと、ちょっと思いついたときに再読してみたりキーワードで検索してみたりするので、全部が使える状態で待機してくれているのが一番ありがたい。
さすがにコレだけあると、スマホどころかクラウドにも上げられません(無料でやろうとすると)。
さらに、クラウドにあげた場合、一部だけ読みたいと思ってもすべてのデータを一旦ダウンロードしないといけなくて、そのためのダウンロードの待ち時間や、通信費がかさむことになります。ほんの数ページが読み返したいだけなのに…。
で、いろいろ考えてみたら、無料で容量無制限のクラウドストレージがあるじゃん!
…と、いうのが GooglePhoto。
ページめくりも、まあ紙の本をめくるようなアニメーションではありませんが、スライドイン・アウトしてくれますし、画像が劣化圧縮されているとは言え、読む分には支障はありません。
ということで、
容量無制限で自炊本をクラウドに置く方法
のやり方編。
■GooglePhoto で自炊本を読みやすくする方法
GooglePhoto は写真を見るためのサイトなので、前後関係は時刻だけです。
このため、自炊本で画像ファイルを作ったら画像ファイルのタイムスタンプを調整しておかないとページ順がひどいことになります。
また、同じタイムスタンプで別の本があったりすると、前後関係どころか無関係の本を読む羽目になります。
そこで、ファイルを作ったときに、タイムスタンプをページ順に並べる必要があります。
普通はページ順に処理するのでタイムスタンプも揃うはずなのですが、処理が高速だったりすると同じタイムスタンプが付いちゃう時があります。これを避けるために、ページの番号(ファイル名の一部)で時刻を変えるようにしています。
もう一つの工夫は、実際に取った写真と時間が重ならないようにすることです。
自炊本の中にデジカメで取った写真が混ざらないように、あり得ない日付にしちゃうことです。
タイムスタンプとしては、1970年1月1日が通常のコンピュータの扱える最も古い時間です。
自炊本の画像はこの日付をベースに、書籍ごとに1日ずつずらしてやれば、本物の写真混ざることはありません。
■連番タイムスタンプ変更ツール
以下は perl で作ったのですが、同様のツールは簡単に作れます。また、連番でタイムスタンプをつけるフリーソフトだと、
大量のファイルを一括リネーム!「Flexible Renamer」
みたいなものもあります。
◇――――――――――――――――――――――――――
$day = 24*60*60;
$ntime = int(((stat $0)[9]) / $day) * $day;
$nIncrese = 60;
while (<>) {
chomp;
utime $ntime, $ntime, $_;
$ntime += $nIncrese;
}
$ntime = (int($ntime / $day) + 1) * $day;
utime $ntime, $ntime, $0;
――――――――――――――――――――――――――◇
このスクリプトを実行するためには、まず、ActivePerl をインストールし、画像ファイルのあるフォルダに上記のスクリプトを、ntime.pl というファイル名(なんでも構いませんが説明の都合上)で保存してください。そして、この ntime.pl のタイムスタンプを 1970/01/01 00:00:00 にしてください。
つぎに、コマンドプロンプトを開いて画像ファイルのあるフォルダで
dir /b /oN *.jpg | perl ntime.pl
とやってください(画像ファイルが jpg の場合)。
これでファイルの順番に1分ごとにタイムスタンプが付けられる「はず」です。
で、画像ファイルを GooglePhoto に放り込めば完成。画像ファイルは圧縮して保管するか、消しちゃっても Google 君が持ってくれているので大丈夫。
このスクリプトの増分の時間は
$nIncrese = 60;
という部分で 60 秒に設定していますが、10秒位でも問題はなさそうです。
ページ数が 900 ページを超えるときは、日付をまたいでしまいますので、増加時間を小さくすると良いです。まあ、百科事典でも電子化しない限り普通はありませんが…。
最後に、このスクリプトは、自分自身のタイムスタンプを次に利用するときの時刻に設定しています。
ですので、このスクリプトを再利用し続ける限りは、画像のタイムスタンプが重複したり混線したりする心配はありません。
■GooglePhoto での閲覧方法
閲覧するときですが、GooglePhoto を開いて、表示日付を 1970 年 に持っていけば閲覧できます。
…が、面倒なので、アルバムを作ってやるといいです。
日付でまとめて選択して、アルバムを作成し、アルバム名を付けてやると、Photo の「アルバム」というページが本棚のようになります。
■コメントの書き方
本を読んでいて、ページにコメントを追加したい場合があります。
GooglePhoto にはブックマークやコメントを追加する機能はありませんので、転送ボタン(四角の箱に上矢印↑がついたやつ)で、OneNoteにそのページの画像ごと送りつけて、そこでコメントを書いています。OneNote に送ると、そのファイル名も一緒にノートが作られるので、ファイル名には書籍名・ページ番号をちゃんと入れておくと、あとで前後を読み返したいときに便利です。
ちょっとしたメモなら、(i)ボタン(マル印のなかに i って書いてあるボタン)の説明欄にも書くことができます。検索性は悪いですが。
■GooglePhoto を使った自炊本リーダーのまとめ
ちょっとダラダラと色々書いたので、簡単にまとめておきます。
・電子化しなたいデータを GooglePhoto が取り込める画像ファイル化する
・ファイル名は書籍名_ページ番号の情報を入れる
・ファイルはページ順にありえないくらい古い日付+時刻にする
・ファイルの順番通りに10秒〜60秒くらいでタイムスタンプを設定する
・GooglePhoto に取り込んだら、アルバム化してまとめておく
・本への書き込みには、OneNoteやEvernoteなどの別ツールを利用する
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