そこで毎度会社なり上司からお達しがでるのが、「効率をあげよう」っていうテーマ。
私はシステム関連の担当業務をしているので、システム化のメリットとしてよく聞くのが、「システム化によって××時間の効率化ができる」ってセリフ。まあ、大抵のシステムなんて、本音を言ってしまえば、そのくらいの効果しかないんですけどね。
■効率化のさきにあるもの
たとえば、いままで8時間かかっていた作業を1000万円のシステムを導入して、4時間にできたとしたらどうでしょう?
1人の担当者が毎日やっていたとすれば、効率は2倍!
1年の人件費を1000万とすれば、2年で投資回収できる計算ですよね。
ほんとか?
たいていはウソです。
この理屈は
パーキンソンの法則:効率を上げるとムダ時間が増える
でもご紹介していますので参照してみてください。
★P99〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●時間を節約したつもりで不毛なみお役所仕事みをしていないか
目標の重要性については、どれほど強調しても足りないぐらいである。
ここに一例がある。ワープロが秘書の仕事をどう変えたかを調べる調査研究が行なわれた。
それによると、平均的な秘書は毎日タイプに約二時間、ほかの仕事に六時間使っている。
ワープロは夕イプの仕事のほとんど全部を省いてくれるから、それによって秘書はその二時間を、もっと貢献度の大きなほかの活動に自由に使えるはずである。
ところが、調査の結果によると、ワープロを導人したほとんどの会社で、余ったはずの二時間がどこかに消えているのである。
どういうことになっているかというと、ここにパーキンソンの法則が登場するのである。
パーキンソンの法則によると、「仕事は、使用可能な時間を満たすために膨張する」。つまり、2 時間でできる仕事であっても、3 時間あれば 3 時間で、4 時間あれば 4 時間でやることになるというわけである。
役所で、よくもこんなにゆっくり仕事ができるものだと驚いたことがある人は多いと思う。
あれである。
このパーキンソンの法則は、お役所だけにあてはまるものではない。秘書たちはそうとは知らずに、残りの仕事を膨張させ、一日の労働時間を埋めていたのである。
メリル・E・ダグラス(著) 『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』
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確かにどの職場でも、殆どの人はなんやかやと忙しいですよね。残業しなければいけないほど仕事もあるでしょう。
上司の前であくびをして、鼻毛をむしるのに一生懸命な人なんてたぶん、見たことがないでしょう。
■最高の無駄遣いは効率化を目標にすること
まずもって、「××効率化」と言って効率化活動をするのが会社ってのは好きなのですが、その効率化活動で生産量が増えるか、人がへったためしがない。
生産量が増えるのは、より多く受注したときですし、人が減るのはリストラしたときだけです。
過去記事でも何度か書きましたが、「効率化」って役に立たないんですよ。空いたスペースに入れるものがない限りは。
効率化活動をするために時間や労力を投下して、あくびをする時間を作る
最高の時間の無駄遣いですね。
どうしてそんなことになるのか?
なぜ、パーキンソンの法則が発動してしまったかというと、筆者は以下のように分析をしています。
★P100〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
なお、調査によると、浮いた二待間をムダにしていた会社は、二つの失敗をしている。一つは、その二時間の使い方についてはっきりした目標を示さなかったこと、もうひとつは、その目標が確実に達成されるような入念な計画を立てなかったこと、である。
明確な目標が示されれば、時間管理の問題の一部はほとんど自動的に解決される。
メリル・E・ダグラス(著) 『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』
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つまり、効率化は、何かをする手段でないといけない。
「何かをする」と決めていなければ、すなわち目標が明確でなければ、効率化は時間と労力の無駄遣いでしかないというわけ。
■参考図書 『「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則―集中力を最高にする時間管理のテクニック』
「ハイ」と返事をしてもやらない、「その場しのぎ」の仕事をする、優先順位がメチャクチャ…なぜ仕事ができない人は「習慣的」に時間をムダにするのか?1980年の刊行以来、時間管理と仕事の進め方のコツを伝授する名著としてアメリカで読み継がれてきた超ロングセラーが登場。 |
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