打ち合わせにはいろいろな種類がありますが、一番難しいのは「交渉」ごとです。つまり双方に自分の利益に対する要求があって、それが異なっている場合です。このとき事前に用意しておくといいものがあります。
■交渉前に用意する5つの事柄
交渉の打ち合わせを始める前に、4つの質問に対する答えを書き出しておくと、自分の望んだ結果に近づけることができます。
・お互いの共通の目標や利益はなにか?
・自分の要求はなぜ妥当なのか?
・どこまでなら妥協できるか?
・自分の要求を通すと、相手にどのような利益があるのか?
・交渉条件のうちもっとも重要なもの(譲れないもの)はなにか?
他にも考えるべきことはあるのでしょうけど、重要なのは、これらを書き出しておくことです。
いざ交渉の場になると、どうしても自分の利益に目が行き、ヒートアップします。感情が先に立っちゃう場合があるんですね。特に普段から相手に対して不満に思っていることなどがあると、つい言わなくていいことまで言ってしまって、交渉ではなく感情のぶつけ合いになってしまう場合があります。
それを避けるには、冷静な状態のときに、考えたことを忘れないようにすること、つまり、書き出しておくことです。
これらの質問は以下の本などを参考にしました。
これをチェックリストにしておき、事前にノートに書き出して、それを見ながら冷静な状態を維持するように考えると、わりあい望んだ状態に近い結果が得られるみたいです。
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●合理的に交渉する仕組みを作るための質問
交渉において合理的に考えるための重要なステップを忘れないでいただきたい。
三つの最も重要なステップはそれぞれ、あらゆる交渉の前に自問すべきポイントを示唆している。
・自分のボトムラインはどこか?
どんな交渉でも、開始する前に自分の BATNA (交渉で合意が成立しない場合の最善の案)を考え、自分の譲れぬラインをしっかり認識しなければならない。
さらに、交渉の前にオプションを準備して、自分のボトムラインをどうしたら改良できるかを常に考えなければならない。
・自分の利益は何か?
自分の立場の基本となる利益を認識し、そうした利益の内容をできうるかぎり理解し、それらの確認にはできるだけ包括的な姿勢でいなければならない。
・各々の交渉案件は、比較してみると自分にとってどれくらい重要なのか?
諸案件の相対的な重要度を理解していなければ、連帯利益を生みだすトレード・オフの作成を体系的に考えることはできない。
こうした問いかけは、相手について考えるときにも重要である。
相手が合理的であっても非合理的であっても、かれらのボトムライン、利益、諸案件の相対的重要度を検討する必要がある。
これらの問いに対する回答は、相手に関して必要な情報が何なのかを教えてくれるだろう。
相手のボトムラインを知ることは、交渉の分配的次元を分析するためのバーゲニング・ゾーンを確認するのに必要である。
利益と相手にとっての諸案件の相対的重要性を考えることも、最適なトレード・オフの明確化を助けてくれる。
もうこれ以上は譲れない、交渉はもうできないといって相手が脅してきたら?
あるいは相手があからさまに無理な要求をしてきたらどうだろう?
エグゼクティブは現実の交渉でよくこのような障壁にぶつかる。
多くの人は、素早い直感的な判断で対応する。
つまり相手に屈服するか、交渉の席を蹴るか、のどちらかになる。
しかし、合理的に交渉するためのステップを踏むことで、相手を理解できるようになり、そうした状況でもこちらの利益を最大にするような戦略を組み立てられるようになる。
マックス H・ベイザーマン(著) 『マネージャーのための交渉の認知心理学―戦略的思考の処方箋』
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●本書を引用した記事
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