ときどき話していて、「どうしてそういう結論になるのか」理由がよくわからない発言をする人がいます。まあいつもではないにしろ、
「何がどうしてそういう話になるんだ?」
と感じてしまうと、その後の話もさっぱり見えなくなります。
■論理の飛躍に注意
「論理」というのは難しい話ではなく、
A は B である。
B と C は同じものである
したがって A は C と同じである
みたいなやつ。
で、それが連なると、
風が吹けば桶屋が儲かる
という論理が出来上がるのですが、この中間をすっ飛ばして、「だから、風が吹けば桶屋が儲かるんだよ」って言われても「は?」になっちゃいます。これが論理の飛躍って言うやつですね。
こういうのに注意しましょうというのは基礎的なビジネス書ではよく出てくるのですが、これは私の知る中で最もわかりやすく書かれた部類の本です。
あまり大仰にかかれていないので、「論理なんてよくわからないし…」という方にはおすすめ。
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●論理の飛躍に他人はついてこられない
あっ、それから話が飛ぶ人がいます。突然、まったく違う話が始まっちやうんですよね。「えっ、何? 何で?」という感じで、それまでの話と何の関係があるんだろと考えていると、また違う話になってるんですよ。結局、最後まで何が言いたいのかちっともわからなくて。
そういう人は、他者意識も論理もまるで頭にないんだろうね。その人は自分の話したいこと、思いついたことをそのまま話しているだけなんだろう。自分の話が相手の耳にどう届いているか、理解されているかなんて、考えたことがないのかもしれない。
人間は、いろいろなことが脈絡もなく浮かんでくるものだ。あることを考えていたのに、気がついたらまったく別なことを考えていた、ある一つのことから次から次へといろんな連想が膨らんでいって、最初に考えていたこととは全然関係ないことになっていた、そんな経験は誰にでもあるはずだ。
あります、あります。考え事をL ているとき、気がついた{り最初とはまるで違うことを考えていて、「あれっリ」って思うこと。それに、友達とおしゃべりしていて、いつの間にか、まるっきり違う話題になっていたり。フアツションの話をしていたのに、旅行の話になっていて、友達と「あれワ何で? 」って、顔を見合わせることもありますよ。
人間の意識の流れというのは、脈絡がないことが多いものなんだ。だから、話をするときには、自分が何を言いたいのかを明確にして、論理を意識しなくてはならない。頭に浮かんだことをそのまま口にすると、話は脈絡がなくなって、相手は混乱してしまう。さっきゆいちゃんが話していた会社の人みたいにね。
他者意識が持てない、つまり、人は自分の話を簡単には理解してくれないという意識がない人は、前後の脈絡や論理など考えずに、頭に浮かんだことをそのまま話してしまう。だから話はあっちこっちに飛び、論理は飛躍して、聞いている人はついていけなくなる。
でも、本人には他者意識が欠如しているから、そんな自分の話を相手は理解していると思っている。話を聞いている人からしたら、迷惑この上ない、困りものだよ。
出口汪(著) 『出口汪の論理的に話す技術』
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本書の引用した部分では、「思いついたことを思いついたまま話さない」というとっても単純でとっても深いことを示唆しています。
何気ない雑談のときには、あるていどは許容できますが、実際ビジネス会話では、なにか目的(言いたいこと)があって、それに向かって論理を組み立て、その論理に従って発言をするわけです。だれかが「赤い××が…」と話したのを聞いて、突然「赤って情熱でしたよね」って発言されると、「何が言いたいんだ、こいつ?」になっちゃいます。その後にちゃんと議論を進められるような話につながればいいんですけど、単に「赤」から連想したものについて話しているだけだと、最後には「お前の話は時間の無駄だから発言禁止!」なんて言われかねません。
そんなバカな、と思うかもしれませんが、意外とこういう手合の発言があるんですよ。気をつけて聞いていると。
■結論を決め、筋道を組み立ててから話す
話を複雑にしないコツは、最初に結論を決めることをしてから、話し始めることです。
結論は○○である
○○を理解してもらうためには、▲▲と▼▼の説明が必要である
▲▲を説明するためには△△について話さないといけない
と考えてから、おもむろに△△について話始めないといけないわけです。
まあ、頭のいい人なら、それを瞬時に頭の中でやれるのでしょうけど、私のような凡人は、一旦紙に書くか、最初に「○○だと考えます」と結論を言ってしまわないと、話があらぬ方向に行くときがあります。散々喋ったあとに「で、私の言いたいのは何だったでしょうか?」って他の人に聞いて呆れられる……
簡単なメモでいいので、メモ帳に書いてから話し始めると、ちょっと論理的に話せるかもしれません。
■参考図書 『出口汪の論理的に話す技術』
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●本書を引用した記事
意思がうまく伝わらない人に足らないもの
耳で読む読書術:オーディオブックを活用する
課長・部長になりたかったら建設業か情報産業にいく?
「送る」メニューを整理する
記憶術:視点を変えて繰り返す
お礼を言う
論理的に話す技術
論理が飛躍すると理解不能になる
知識のストックが生み出すもの
失敗を恐れず、発言の機会を求めよう
●このテーマの関連図書
出口汪の論理的に考える技術(ソフトバンク文庫)
出口汪の論理的に書く技術(SB文庫)
出口汪の「すごい!」記憶術(SB文庫)
出口汪の「好かれる!」敬語術(SB文庫)
論理思考力をきたえる「読む技術」(日経ビジネス人文庫)
[出口式]脳活ノート