「知識の質」という言い方はあまりしないかもしれませんが、インターネットで調べればわかる程度のことを「知識」と言うには、最近はちょっと恥ずかしいかもしれません。
■知識の質
「知識」それは「知っていること」です。対して難しい概念ではありません。
ただ、哲学的に考えるとずいぶん難しい概念みたいですが。
では、どのように知っていれば、「あの人は知識がある」といってもらえるのでしょうか?
あるいは、「あの人は知識がある」とあなたが認識している人はどんな知識を持っているでしょうか?、何を持ってそう考えるのでしょうか?
いまどき、「お隣の国の面積」や「地球の裏側の国の首都」なんて、ちょっとググってみればわかります。
つまり、そこでは差がつかないわけですね。
ところが、「それについて教えてほしい」と思える人っていうのは、その知りたいことに対して、ネットでは気が付かないような情報を与えてくれます。たとえば、「その国の大統領が最近○○な方針を打ち出していて〜」みたいに、自分の知りたいことの先を教えてくれるわけです。
つまり、知識の深さ、すなわちあることがらから派生する別の事柄に対して体系的な、あるいは連想的な事柄を知っていて、知りたいことではなく、やりたいことに「ちょっとスパイスを加える情報」を引き出すことができる、と考えています。
ちょっと私のイメージ的なたとえ話ですが、
ある知識は夜空のひとつの星みたいなもので、それにちょっとスポットライトを当てると、それがスポットライトの洗具合に応じて七色にに光って、周辺の星を光らせ、それがどんどん連鎖して満天に星が七色に輝いた状態になっている。
その連鎖の具合が知識の質で、夜空にどのくらいの数の星があるのかが知識の量のイメージ。
その連鎖は、自動的なものと意識的なものがあって、ある方向性(目的)を与えると、それが天の川みたいに、夜空を横断する光の革みたいに見える。
といったイメージです。
まあ、天の川なんて、今どき見えないかも、ですが。田舎者ならではのイメージかも…ですね。
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●知識の量と質
例えばこれからは、会議中に、ロシアの人口が知りたいとなつたとき、その数字をあなたがたまたま知っていても、まるで意味がありません。あなたがもつているその情報は、すでに過去の数需それよりは、携帯端末からネツトにアクセスすれば最新に近いロシアの人口がわかります。
あなたがかつてどこかで読んで知っているロシアの人口と、ネツトで知つた最新に近いロシアの人口。どちらが会議に役立つかは考えるまでもありません。
もちろん、あなたがその企業の人間から特別に教えたもらつた内部情報は別として、公の数字だったら携帯端末にはかないません。
私がこれまでの速読術を「飛ばし読み」にしかすぎなかつたといつて、否定的にいってきたのは、こういう事情もあるからです。
簡単にインターネツトという情報空聞にアクセスできるいま、薄つぺらな情報など、もはやビジネスでは使えないということをわかってほしいのです。
そもそもほとんどの有用情報は公開されたデータです。そこにアクセスするしかないか、あるいは速くアクセスできるかどうかはさほどたいしたことではありません。「知識」とはデータとデータを意味づけしてっなげる力。つまり認識力です。
知識量とはもつているデータ量の多さだけでなく、データ同士を関連づける能力によつて左右されるのです。
同じデータをもっていても、関連づける力がなければ知識たり得ないのです。例えば、「南イリノイ大学」という言葉を聞いて、2010年に問題となつたトヨタ自動車のプリウス暴走事件のことを思い出した人は、普通のデータ量を持つています。あの事件の最中、南イリノイ大巌ナの教授がトョタに不利になるプリウスのニセ実験を行つているからです。
さらに、もう一つ南イリノイ大学ナと聞いて思い出すのは、同大学の日本校が新潟につくられていたということです。これも思い出すことができればかなりのデータ量の持ち主でしよう。そして、この二つの出来事はつながつています。南イリノイ大学日本較は、日米の自動車輸出規制問題が激化していた最中に、アメリカの要望でつくられたのです。
つまり、この大学はアメリカ自動車産業とべつたりだということです。これが「知識の質」ということになります。
苫米地英人(著) 『年収が10倍にになる速読トレーニング』
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本を大量に読んだり、ねっとでいろいろ調べたりするのは、ひとつの知識を得るためですが、それらがいろいろな形でつながって、ある刺激で縦横無尽に連結されているのが「知識の質が高い」といえる状態なのでしょうね。
■知識の連鎖をWeb化してみたい
まあ、余談ですが、過去に読んだ本などをこうして引用しながら、考えたことを書いているわけですが、これは単なるひとつの知識に過ぎません。
できることなら、Webというハイパーリンクの機能を使って、こうした知識から知識へ広がる世界を表現できるとすごいんでしょうね。
いまでも、「蜘蛛の巣」っていうくらい広がっていますが、もっと抽象的な概念の世界をハイパーリンクで表現できるようになるといいなぁ、と思ったりします。
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