交渉事には心理操作はかならず必要になります。活用して有利な交渉を進められるに越したことはないですが、それを知っているだけでも、不利な交渉を避けることができるようになります。
過去記事でも交渉術や心理操作について書いてきましたが、単なる知識だけでもいいので持っておくと、自分が不利な状況に持っていかれることはないでしょう。
■交渉を有利に進めるために準備すべきこと
交渉を有利に進めるためには、環境整備が必須です。
その第一歩は、知識でしょう。
とうぜん、こういうことを勉強しなくても皮膚感覚として使える人は大勢います。ただ、それを認識できるようになっていると意図して活用したり、はめられて自分を不利な状況に置かれたりするようなことを避けることができます。
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●不快な状況を受け入れない
どこにでも、あなたを陥れるために汚い手を使ってくる人はいる。
身体的な不快感や心理的なプレッシャーを与えることで思考を鈍らせるような、筋金入りの不正な戦略も存在する。
自分が優位に立とうとして、こうした力ずくの戦略をとる人間を決して受け入れてはいけない。
こういった巧妙な攻撃は、まるで偶然かのように見えることもある。
新しい上司のオフイスに用意されたあなたの椅子が上司の椅子より低いのも、賃上げ交渉が始まろうとするまさにその瞬間に太陽が目に入って肱しいのも、まったくの偶然のように思えることだろう。
確かにそれは、偶然の可能性もある。
しかし、間題は相手が意図してやっているかどうかではない。
相手が意図していようがいまいが、あなたのパフォーマンスにネガティブな影響が出てしまうのが問題なのだ。
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:(中略)
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もし不快な状況が意図的に計画された卑劣なものだと気づいたら、相手の意図にはまるで気づいていないようなフリをしながら、その状況を指摘することだ。
相手を責めることなく、その状況に対する客観的な説明をするのがポイントだ。
「この部屋にある椅子の数を考慮すると、どちらかが画びょうの置かれた椅子に座らなければならないようです。
順番に座るということで、明日はこちらに座っていただけませんか?」
もしくは、相手の策略であなたがうまく集中できないことを説明しよう。
「すみません、太陽が肱しくて、全然集中できないんです。
別の部屋に移るか、太陽が沈むまで話し合いを延期したいのですが」
こうした反応をすれば、相手の策略はお見通しであることをうまく伝え、子どもじみた策略だと言外に指摘できる。
同時に、相手の面目を保ちながら、画びょうを取り除いたワ、別の椅子を用意したり、ブラインドを下げたりして状況を変える余地を与えることができる。
ヘンリック・フェキセウス(著) 『影響力の心理~The Power Games~』
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私の狭い知人範囲でいうと、やっぱり日本人はこうしたことをあまり気にしない人が多いような気がしますが、海外だと、かなりの若手でも、自分を有利にするような動きをする人が結構います(意識しているかどうかは知りません)。
交渉のスキルというのはあらゆる仕事についてまわるポータブルスキルなんですね。だから、早すぎるとか遅すぎるとかはありません。交渉術の勉強は常にタイムリーです。
先日、息子が「お金を貸してくれ」と行ってきました。「そんな大金は出せない」というと、一旦は諦めて帰っていきましたが、後日「その半分でいいから」と再度交渉に来ました。
おお、『ハイボールテクニック』だぞ、それ。
遊び呆けているようでも、いろいろ勉強しているんだな〜
と感心したりしました。
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