一度メンタルをやられると、もうそういうことがないようにかなり防衛的になります。ちょっと忙しいなと思ったら仕事量をセーブしたり、「それはできません」ってはっきり断るようになったり。ただ、気分の波とメンタルの状況ハンダっていうのは正しく見ようとすると結構難しいものです。
「メンタル障害に注意しましょう」的なことは多くの会社では注意していることではあると思いますが、一般に会社が見ているのは、残業時間。でも残業時間が多いか少ないかで単純に測定できるものではありません。
「習慣にしていたことをやらなくなった回数」というのが、実は良さげな気がしています。もちろん、自分で気付けるという意味で。
■習慣にしていたことがやれなくなる
私が目安にしているのは、3段階を考えてます
初期状態:習慣にしていたことが億劫になる
中期状態:夜中に目が覚めるようになる
危険状態:動悸がしたり、朝起きるときに妙に体がだるくなる
こんなことが数日続くと、「あ、やばい」と思って対策を取るようにします。
対策にも色々あるので、それは別項でまたご紹介しますが、本日は、初期状態に気づく方法についてご紹介します。
■億劫さが増してくる
メンタル的に辛くなると、普段何気なくやれていたことがやれなくなります。
これが初期状態です。
私の場合、
・日誌をつける
・寝る前に瞑想をする
・朝、軽いストレッチをする
こんなことです。
忙しくなってきたり、気持ち的に追い詰められてくると、まずこうしたことができなくなります。
できなくなるというのは、技術的にできないのではなく、どうにもやる気が起きないんですよ。やろうとして準備をするのですが、なんかすごく面倒くさくなる。
これが最初の状況です。
その時点で、「やばい」と気付ければ、スローダウンする対策を取りやすくなります。
まだこの時点ではメンタル的になにか支障が起きているわけではないので、仕事を少しづつ減らしていくとか、上司に「ちょっとやばいかもしれないので…」と話していくことで、仕事などのストレッサーに対して対応方法を考える余裕があるわけです。
こうした習慣をメンタルストレス状態の目安にするというのに気がついたは、この本。
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近年、うつ病の人などが増えているのは、ワークライフバランスが声高に叫ばれる中、いまだに社会がタイムマネジメンkFを中心にまわっていて、ストレスマネジメントが全然できていないからです。
たとえば、残業を禁止して、形式上22時までに帰宅すればいいというのは明らかにおかしい。時間で区切るからストレスマネジメントが機能していないのに、また時間で区切り直してどうするんだ、という話です。その中でストレスフルな仕事をしていたなら、それは時間が短くなってもあまり関係がないのです。
本質は「残業禁止」ではありません。ストレスを感じていない人問は、無限に残業をしてもいいのです。実際に僕は、土日もなく、3時間睡眠くらいで働き続けていますが、ストレスはほとんどあリません。
自分がストレスを感じる事務作業などは、ほかのメンバーに助けてもらうことで、ストレスのある仕事を避けているからです。
逆に、働くのが苦手な人は、17時に帰宅してもいいけれども、その分だけ、何かクオリティの高いものを出してくださいということです。
ストレスマネジメントと生産物のほうがはるかに重要であって、労働時間で区切ってもなんにも意味はないのです。
僕が「残業禁止」を批判し、ワークライフバランス、くそくらえ」と言っているのは、こうした理由があるのです。
よく、何かストレスマネジメントでおすすめはありますか?と言われるのですが、個人として、ストレスマネジメントのために力を入れているのは、筋トレです。
適当なことを言うなと怒られるかもしれませんが、筋トレこそが、わかりやすいバイタルチェツクになります。なぜなら筋トレを楽しくできるくらいのメンタルがあれば、それは病的なメンタル状態ではないと推測できるからです。
だいたいメンタルを壊してしまった人は、まず筋トレをする気がなくなってしまいます。また、体を動かし、適度な負荷をかけることは予防医学の観点からしても重要ですし、心身にかかるストレス状態を把握するには、体のほうが指標としてはわかリやすい面があります。
「ワークアズライフ」の時代には、運動も含めて、自らのストレスをマネジメントできるかどうかが、クリエイティビティと生産性を決定づけるのです。残業禁止などは本質ではないのです。
落合陽一(著) 『日本再興戦略』
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メンタルとは全く関係のない本ですが。
■ホンの紹介
この本、著者の主張は世の中で言われていることとはちょっと違う観点から書かれていて、結構勉強になりました。本当にそれでうまくいくのかということについては、若干疑問もありますが、東洋の人は「全体から考える」、西洋の人は「部分に分けて考える」ので、ジョブディスクリプションみたいにきっちり定義するのは日本の仕事環境にはそぐわない、など「うん、自分もそう思ってた」みたいに、普段漠然と感じていることを、うまく言葉に表してくれています。
結構勉強になりました。
いくつか、「そうそう」って思ったところをご紹介しておきます。
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・欧米という定義
「欧米ではこうしている」みたいに言われるときがあります。それはたいてい「だからそのようにやろう」と続く場合が多いのだが、それが正しい証明にはなっていない。そもそも、フランスとドイツは全く別の文化を持っている。ましてやアメリカとイタリアを同じくくりにできるものではない。
・自然に対する態度
一般に近代文明は科学や工学の力によって自然を克服する方法を是としてきた。しかし、東洋人、特に日本人は、自然との共存や自然をうまく生かして自分たちの生活を豊かにしてきた歴史がある。一神教で無限大の力を持つ神がいる文化と、八百万(やおよろず)の神々がいる自然崇拝の文化では自然に対する考え方が異なっている
・ワークライフバランスではなくワークアズライフ
ワークライフバランスというのは、仕事とプライベートをはっきり区別をしている人にとっては意味のあることだ。しかし多くの日本人にとっては、仕事は生活と区別がつかない。日本的な文化では仕事は自分が社会の一員であることを確認するためのもので、生活の一部なわけだ。一部と全部の相克を解決しようとするのではなく、うまく溶け込ませていける、ワークアズライフが重要なのではないか
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……な感じです。
■参考図書 『日本再興戦略』
Unlimited無料 | 「情熱大陸」出演で大反響! 落合陽一の最新作! 本書概要 AI、ブロックチェーンなどテクノロジーの進化、少子高齢化、人口減少などにより、世界と日本が大きく変わりつつある。 今後、世界の中で日本が再興するにはどんな戦略が必要なのか。 テクノロジー、政治、経済、外交、教育、リーダーなどの切り口から日本と日本人のグランドデザインを描く。 「日本再興戦略」とは、改革や革命ではなく、アップデートです。 必要なことは、「過去において日本は何が機能したのか、何が時代と合わなくなったのか」を検証すること。 本書がポジションを取って未来を作る皆さんの一助となることを祈っています。 (著者より) 日本再興戦略 目次 第1章 欧米とは何か 「欧米」というユートピア/「西洋的な個人」の時代不適合性/「わかりやすさ」の対極にある東洋思想 /日本というブロックチェーン的な国家/平成という破壊の時代を超えて 第2章 日本とは何か 日本の統治構造を考える/イノベーティブな日本の宗教/日本にはカーストが向いている /百姓という「多動力」/中流マスメディアの罪日本は超拝金主義/日本を蝕むトレンディードラマ的世界観/「ものづくり」へのリスペクトを回復せよ 第3章 テクノロジーは世界をどう変えるか99 コンビニに行かなくなる日/「人工知能と呼ばれているもの」の本質/最適化・統計・創発/東洋のイメージをブランディングする/人と機械が融合する自然/テクノロジー恐怖症との折り合い 第4章 日本再興のグランドデザイン 人口減少・高齢化がチャンスである3つの理由/ゲートのない世界へ/ブロックチェーンと日本再興/日本はトークンエコノミー先進国/地方自治体によるICOの可能性/シリコンバレーによる搾取の終わり /ビットコインの未来を占う「3つの問い」 第5章 政治(国防・外交・民主主義・リーダー) 日本だからこそ持てる機械化自衛軍/インド・中国・北朝鮮/揺らぐ民主主義 第6章 教育 新しい日本で必要な2つの能力/幼稚園には行かなくてもいい/センター試験をやめよ /MBA よりもアート 第7章 会社・仕事・コミュニティ221 「ワークアズライフ」の時代/兼業解禁と解雇緩和をセットにせよ/士農工商を復活させよ/「ホワイトカラーおじさん」の生かし方/年功序列との決別/「近代的人間」からの卒業/「自分探し」より「自分ができること」から始める/モチベーション格差の時代 |
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日本再興戦略 著者 :落合陽一 | 楽天では見つかりませんでした | 日本再興戦略 検索 :商品検索する |
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