「ありがとう」
感謝を伝える言葉というのは、コミュニケーションを円滑にするだけでなく、相手に「この人の頼みなら聴いてやろう」みたいな相手を積極的にこちら側に取り込む力があります。
ただし、いつも「ありがとう」と言っていると、だんだん効果は薄くなります。これも心理現象のひとつとして説明はできるのですが(限界効用逓減で調べてみてください)、そういう事が起こりにくい、ちょっとした方法をご紹介します
■些細なことに注目する
単純に言えば、
相手が褒めてほしいと思わなかったところを褒めること
です。
何か上司から仕事を頼まれてやったとして、上司に「終わりました」と報告したら、上司から「ありがとう」と言われれば気持ちいいです。ただ、本当にそれだけです。
それ以上、何か積極的に次も最優先でやってあげよう、と思ったりするわけではありません。
※もちろん、上司の評価は怖いので、なるべく良い顔はしたいと思いますが、それはまた別の話で
ところが、こんなふうに言われたらどうでしょう。
「いつも僕のところに来るときに、ちゃんとメモ帳を持ってきてくれるから安心できるよ。ありがとう」
「は? そんなの当然でしょ」って思っていたことを褒められると、人間ってすごく嬉しいんですよ。本人が気づくかどうかは別にして。
あるいは、
「この資料を作るのに、○○君にも作業を割り振れてたね。彼が成長できるように考えていてくれて嬉しいよ」
なんて言われたらどうでしょう。この人よく見ててくれたな〜って思ったりしません?
ポイントは、
相手が同然と思っていたことで、他の人より優れていることに気づかせてあげる
些細な行動をちゃんと見て、それを称賛してあげる
ことです。
参考にしたのは以下の本です。
★P153〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●「些細なこと」こそお礼が大切
これまで、褒めたり助けを求めたりといった「見一下手に出る行動」が、いかに人間関係において効果的に働くかを見てきた。
しかし、こうした行動のうちで軽視されがちなのが「感謝を伝える」ことだ。
私たちは、[感謝の力」を利用しきれていない。
せいぜい[ありがとう」と言うくらいだ――ランチバイキングに並んでいるときにプレートを渡してくれたとか、ドアを開けておいてくれたといった具合だ。
しかし、多くの人は、「心の込もった感謝」に秘められたパフーを忘れている。
正しく行えば、感謝は大きな効果を発揮する。
たとえば「ありがとう」と言われたとき、言われた人の脳内では「何に対してのお礼なのか」の推測が始まる。
「プレートを渡したからだな」とか、「ドアを押さえてあげたからだな」など、もっともわかりやすい理由を探す思考回路をたどり、納得する。
ところが、相手が細かい理由付きで感謝してきたらどうだろう?もっと真剣に受け止めるようになるのである。
だから、相手が予期しない理由で感謝すると効果的だ。
相手の行動を見て、手間をわかったうえで感謝していると示すことは、大きな影響をもたらす。
ヘンリック・フェキセウス(著) 『影響力の心理~The Power Games~』
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本書にはこの他にも、限界効用逓減の対策がいろいろ書かれています。心理学というのは本当に恐ろしい、という感じがする本です。悪用厳禁で。
■参考図書 『影響力の心理~The Power Games~』
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●本書を引用した記事
初対面で必ず好意を持たれる振る舞い方
不快な状況を受け入れない
〜だったのに、〜すべきだった、〜すればよかった
褒めるときに落ちをつけない
ないものはない!あるものはなんじゃ!
●このテーマの関連図書
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