あなたの会社でもやらないといけないことを付箋紙(ポストイット)に書き出して、モニタの横に張り出しておく、という方法をやっている人が結構いるのではないでしょうか。
実はこれ生産性を落とす原因です。
■今のタスクに関係ないものは視界に入れない
私もすべてがアナログ管理だった頃にやったことがありますが、しばらくしてやらなくなりました。実はこれにはデメリットがあって、「今やること」や「今日やること」に集中できなくなるのです。前述の通り今日やれるタスクは、1日でせいぜい3〜6個です。細かいタスクを入れても10個もありません。そこに明日以降にやることや単なるメモだけの書かれたものが目に入ればどうなるでしょうか。当然気が散ります。集中力がなくなったり、そちらのタスクが気になったりするわけです。せっかくタスクとして書き出して頭の中から追い出して集中力を高めようとしているのに、いつも視界の隅にそれが入ってくるのでは、逆効果です。
一度書き出したものは、必要になるときまでは、視界からも意識からも遠ざけてしまうのが集中力を保つ唯一の方法です。
■絶対に忘れてはいけないこと
一方で、常に意識していたい事柄をこうしていつも視界のどこかに入るようにしておくということ自体は良いことです。ただし、上記のように集中力を削ぐ原因になりかねないので、以下の2つに限定しておいたほうがいいでしょう。
?自分が意識しておきたい方針・ポリシー
?わすれずにやらないといけないこと(ToDoのレベル)
前者は、たとえば「共感的に人の話を聞く」「将来のために今の時間を投資する」などのように非常に抽象度の高い、自分のすべての行動で意識しないといけないことです。これは忘れてはいけないので、何かの拍子にふと見返せるようになところに張り出しておくべきです。将来の大きな目標もこれにあたります。
後者は、「帰りに○○を買って帰る」などの、タスクではなく行動、すなわちToDoです。私だけかもしれませんが、こうしたものはつい忘れてしまうので、その状況なったとき(上記の例で言えば、帰る途中)に思い出す必要があります。そのトリガを作っておくことです。
つまり、いつでも目に入るところに張り出していいのは、将来の目標や意識レベルに働きかけないといけないような規範か、非常に具体的な行動のような両極端なものだけなのです。
■いつでも目にするもの、それはスマホ
そういう絶対に忘れてはいけないことは、いつでも目にする事ができるようにする方法のなかで私が最強だと思っている方法は、スマホの画面に透明な付箋紙でToDoを貼り付けてしまうことです。1日中スマホを一度も見ない、という人はほとんどいないのではないかと思います。そうすると「妻の誕生日プレゼントを買って帰る」ということを自宅の玄関まで来てから思い出すことはなくなるでしょう。
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