年間の目標にしても、今からやるタスクの目標にしても、その目標には2つの目標が必要です。
■定量目標と定性目標
ひとつは、普通に言われる目標そのものです。これがなければ具体的に何をしていいのかわかりません。
もうひとつは、その目標を達成することでどのような状況を作りたいかの目標です。いわゆる「定性目標」と言われたり、「状況目標」と言われたりします。
私はこの2つを第1目標、第2目標と呼んでいます。通常、第2目標を達成するために、第1目標があります。この逆はありません。
たとえば、上司に「明日までに○○の企画書を作ってくれ」と言われた場合には、第1目標は上司に言われたとおりですが、第2目標は「上司に信頼(承認)される企画書を作る」ということです。上司は「企画書」と書いた紙をくれと言っているわけではなく、○○を上司の上司、役員に承認をもらうために、それが魅力的でやる勝ちがあるということを認められたいのです。これが目的に相当するものです。そしてこれを達成するのが、第2目標です。
■タスクリストには複数の目標を書く
そして大事なのは、年間の目標(あるいはタスクリスト)に、この2つを書いておくことです。
つい、「企画書を作る」ということに囚われてしまいます。これは人間なので何かを目標と見定めたら、そこに集中してしまうのは仕方がありません。ただ、それは第2目標を達成させるための手段でしかない、ということを意識できるようにして置かなければいけないのです。それを達成するためになら、別に企画書でなくても、たとえば「その道の権威に来社してもらって、上司の上司に説明する機会を設けてもらう」でもいいのです。
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