仕事の進捗を遅らせる最も大きな要因は、他の人との調整です。もちろん、意見を集約すること自体も大変なことなのですが、打ち合わせの時間設定が最も無駄なのです。
■仕事の遅延の最大の要因は会議の調整
例えば、ある打ち合わせをして何かを決定しようとしているとき、会議の予定時間が過ぎてしまうということは、多くの方が経験していると思います。後30分も打ち合わせをすれば決定できるのに、「次の会議があるから」ということでもう一度打ち合わせを開催しないといけません。次に関係者のスケジュールがあうのは1週間後、などということも少なくないのではないでしょうか。そして1週間後に会議してみたら、1週間前の議論はみんなの記憶からすっぽり抜け落ちていて、議論は振り出しに戻っている、という状況になりかねません。
会議場所の予約スケジュールもいっぱいで、もう次の会議の人たちが待っている状況で、後30分議論を続けたいなどということは言えるわけもなく、「では、また後日会議を設定します」といって慌ただしく会議は尻切れトンボで終わります。
さらに次の打ち合わせをしようと全員の空き時間を検索していると、だいたい1週間位は予定が入っているので、1週間後になります。さらにそのときに空き会議室がなければさらに決定は遅れていきます。
その間、何も決定がないわけですから、誰も何もアクションはしません。仕事は停滞を余儀なくされるわけです。
こうした事態が起きるのは、基本的に会議の進行を務める人が会議の時間バランを考えていないことが原因です。
■会議のタイムスケジュール
会議は基本的に以下のような流れを考えないといけません。
・オープニング(アイスブレイク、会議の目的共有) 3分
・目標、会議のタイムスケジュール共有 5分
・本題 40分
・クロージング、次回マイルストーン 10分
足し算すると1時間にならないのは、多少遅れてくる人がいるためなのですが、この時間ぴったりである必要はありません。目安として考えてくだされば結構です。
重要なのは、かならずクロージングの時間をとることです。もし50分経っても議論が収束しなければ、その時点で会議は打ち切って、クロージングに入らないといけません。
■延長戦はその場で設定する
たとえ議論がちょうど白熱してきたところであっても、「時間ですので続きは次回ということで、本日の結論は××と××でした。未決事項は○○ですね。宿題は××が○○さん、△△が▲▲さん。▽▽までによろしくおねがいします。次回は…」と議論を遮りましょう。たとえ出席者から「もう少し」と言われても妥協してはいけません。
この10分の時間を使って、共有のスケジュールを開いて、全員のスケジュールから次回予定を確認するべきなのです。議論がもし盛り上がっていれば、出席者は早く続きがやりたいと思っていますし、頭の中での優先順位がいまの議論に傾いているので、他の予定をずらしてでも、会議の設定を優先してくれる確率が高くなります。つまり、空き時間を探すのではなく、相手に空き時間を作ってもらうわけです。
「○○さん、他の人がOKな時間にお一人だけNGなのですが調整できませんか?」と効かれれば、自分のせいで議論が送れすことにプレッシャーを感じるので、「調整します」と答えてくれるでしょう。
どうしても全員の都合がつかずに、かなり先にならないと調整ができない場合には、出席できない人に「じゃぁ議事録をあとで送りますので、それで承認してください」と強く言うことです。お前には発言権は無いぞと言わんばかりに。
当然、その人に対するケアは必要になりますが、積極的に調整してくれるようにプレッシャーを掛ける必要はあります。
■定例会化する
もし、その会議がしばらく(私は4回以上にしてます)続くのであれば、最初から定例会として時間を確保してしまうことです。これは第1回の打ち合わせのときに、最初の議事として取り上げるべきです。最初に決めてしまうと、あとから不満が出にくくなります。一度承認したものは心理的に否定しにくいですので。定例会と言われると、言われた側はその優先順位が上がります。「簡単に動かせない」と思うようになります。
■日程の調整は成果を生まない
ここで意識したいのは、日程の調整という仕事はないということです。どれだけ頑張ってやろうが、どれだけ手を抜こうが、日程調整自体はムダな作業です。
それ自体が成果を生むことはないですから。成果を生まない作業は、仕事とはいえません。単なる準備作業の1つです。
だったら、それが最も効率良くやれるように工夫することです。全員が顔を合わせている時に、まとめて聞いてしまうか、決め打ちをして無理やり押し通すことがもっとも効率よくなります。
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