どこにも「頭の回転が速い人」というものはいるもので、そういう人をみるにつけ、どうして自分はこんなにアタマが悪いんだろうと思ってしまいますよね。
でも、よくよく観察・分析してみると、頭の回転が速い人がやっていることが見えてきます。
その要素は3つです。
・課題に対して様々な角度から検討を加えられる(フレームワーク)
・思考方法に自分固有のテンプレートのようなものを持っている
単純に行ってしまえば、頭を効率よく使うことができて、ひとつひとつの思考が早い、ということです。
効率良く使うためには、不必要な思考に時間を使わない、すなわち前述のように必要な場面で最も有効なフレームワークを選択するだけの知識があり、特定の使い慣れた思考パターンを持っていることが必要です。
たとえば、今日出勤時に傘を持っていくかどうかを考えるのに、今朝の6時35分だとしたら、頭の回転が遅い人というのは、「じゃあ6時55分にやるテレビの天気予報を見よ「
」と思うようなものです。あと20分待たないとできませんね。
一方で頭の回転が速い人は、55分まで待つ、スマホで天気を調べる、雲の動きを見る、他の人が傘を持っているか確認する、などの選択肢を何種類も持っていて、今からならスマホを取り出すのが一番早道だと考えて行動するのです。あるいはそもそも、折りたたみ傘を常にかばんに入れているので、考える必要がない状態を作っているようなものです。
このために結論を出すのがものすごく早くなります。
■頭の回転が速い人は動作も早い
そして、この最後の「そもそも動作がキビキビしている」という点が私が最も重要だと考えます。
つまり、頭の回転が速いひとは、何かの作業をするにしてもその作業をもっさり、ゆっくり作業したりしません。ちゃっちゃと作業が進んでいきます。
たとえば、新入社員とベテラン社員を比べてみましょう。新入社員は仕事上のほぼ全てはベテラン社員にかないません。仕事の量、質、スピード。どれをとってもレベルは違うでしょう。理由は何でしょうか?
別の例も上げてみましょう。あなたが最初PCに触った頃は、キーの刻印をひとつづつ見ながら人差し指でキーを押していたのではないでしょうか。それが、ブラインドタッチに習熟することですごく早くなったのではないでしょうか。ローマ字で文章を書こうとすると、
わたし → WATASI
と置き換えて、それからそれぞれのキーを探していたのではないでしょうか。それが慣れてくると、「わたし」と考えただけで、指が勝手に動いて画面には「わたし」と表示されてますよね。ローマ字に変換する作業がすっぽり抜けていても、指が該当するキーを勝手に叩いているという状態になっているはずです。この理由は何でしょうか?
その理由は「慣れ」だと考えます。
つまり、なんどもなんども同じ作業を繰り返していると、途中でその思考プロセスを考えなくても、飛び石で結論=行動にたどり着けるようになるのです。
武術家が試合をする時に、「お、左手正拳突きか、じゃあ、右手を少し上げて拳の勢いを殺して、左足を踏み込んで…」とか考えないですよね。反射的に体が動きます。そのために、何度も何度も同じ型の訓練を積むのです。
キビキビ動くためには、「慣れ」が必要です。マウスを握るのに、「マウスはどこにあったかな?。。。そこに右手を持っていって、マウスの位置に指を重ねて…」とか考えている人より、「右に15cm動かせばマウスがある」という動作が身についている人のほうが作業が早いのは当然です。もはやマウスを動かそうとすら考えてなくて、「画面に見えているボタンにマウスカーソルを持っていく」という欲求が生じた時点で手が勝手にマウスを動かしているのでしょう。
■早く動くと早く考えるようになる
人間の思考速度には、大して違いがありません。相手がアインシュタイン、エジソン、坂本龍馬、平賀源内であろうと、脳の情報伝達速度は、私達とたいして変わりがありません。でも結果は大違い。その差は、どれだけその思考を何度も繰り返してきたかにあったのではないでしょうか。もちろん持って生まれた才能というものはあったでしょうけど、それは決定要因ではなかったと思います。
「東京の人は歩くのが早い」という話を聞いたことがしばしばあります。田舎から出てくると、歩くのがものすごく早くてとてもつかれるそうです。
ところは半年も東京で暮らすと、自分もその速度で歩くようになります。「みんな、歩くのが早い」という意識がなくなります。
そして、東京の人はビジネスでも同じようにスピードを求められます。逆に都会のビジネスの最前線にいた人が田舎の会社に入ると、その「もっさり」感にびっくりするそうです。チャットを送っても返事が半日後とか。
これは、人間の処理能力は状況や本人の習熟度によって変わりうるということを示しています。
また、人間の行動速度と思考速度は、ある正の相関関係があるということです。
つまり、あなたも頭の回転が速くできるのです。そのためには、「素早く動く」ようにすることでそれが鍛えられるということです。
■素早く動くためのトレーニング
では、素早く動くためのトレーニングメニューを紹介、、、というところで長くなってしまったので、次回に続く。
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