どこにも「頭の回転が速い人」というものはいるもので、そういう人をみるにつけ、どうして自分はこんなにアタマが悪いんだろうと思ってしまいますよね。
でも、よくよく観察・分析してみると、頭の回転が速い人は生まれつき回転が早かったわけでなく、意識・無意識にしろ、そうしたトレーニングをしてきた結果なのです。
■頭の回転を早くするトレーニングトレーニング
前回、頭の回転が速い人は、ひとつひとつの動作も早くなることを書きました。
今回は、ひとつひとつの動作を早くするためのトレーニングや意識しておくべきことなどについて、書いていきたいと思います。
■素早く動くためのトレーニング
では、早速素早く動くためのトレーニングメニューを紹介します
・人より早く歩く(歩いている時に前の人を追い越す)
・食事に行った時に注文を即座に決める(店の人を待たせない)
・毎朝出勤前に家の掃除をする
・キーボードの打鍵速度を測定して、より早くしていく
・仕事の定常業務のタイムトライアルをする
・出席した会議の議事録係になる
・朝の目覚ましを5分遅くする(朝の支度を雑にしたり、遅刻してはいけません)
・歩く時に歩幅を小さくする
・繰り返しやる簡単な作業(歯磨き、着替え)の時間を測る(少しでも短くできるように)
・メトロノームを鳴らしながら作業する
・速読する、本を2冊並列読みする
順番に簡単に説明していきます。
●人より早く歩く(歩いている時に前の人を追い越す)
別の記事でも紹介していますが、早く歩くというのが、前回の例でも出したように都会の人と田舎の人の差としても現れます。それだけ時間に追われて生活しているからでしょうか?
早く歩けるようになると基本的な体のリズムが早くなります。その他の行動も早まるという効果があります。
ただ、自分が速いつもりでも、相対的にはたいして早くないということは十分ありえるので、目標としては、前を歩いている人を追い越すような速度で歩くというのを目標にすると良いです。こうすれば確実に歩くのが早くなります。
●食事に行った時に注文を即座に決める(店の人を待たせない)
これは、判断の速度を上げるのに役立ちます。『仕事は3秒で決めなさい―自分から動けない人が、とにかく「すぐやる人」になる』や『ファミレスのメニューは3秒で決めろ! 』など、多くの書籍で取り上げられています。
ただ、これは、「最初に目に入ったものを注文する」ということでは有りません。ちゃんとメニューを見て食べたいものを考えて決めることが必要です。
たとえば、レストランに行ったとして、メニューをみたときに、一通り全部見て、もう一度最初から見なおして、「どれにしようかな」と考えるのではなく、メニューのジャンル一覧から「今日はこのジャンル」と決めて、そのジャンルのメニューの一覧から「今日はこれ!」と決めるのです。
メニューの構造は、食事、喫茶のジャンルに分かれていて、食事なら、コースもの、パスタ、丼などのジャンルに分かれて書かれています。それを考慮すれば、レストランに行って「お茶にするか食事にするか」から決めていけば、一直線に食べたいものが決められるのです。
本を読むときも同様で、とりあえず全部読んでから必要な情報をもう一度探して読み直す、という読み方ではものすごく時間がかかるでしょう。その本のなかで学びたいことがはっきりしていれば、目次なり索引なりを見れば、すぐにそのページに辿り着きます。そのページで必要な情報だけを読めば、本は10分もかからずに読めます。不要な情報をうまく切り捨て、必要な情報を自分の判断に使えるように素早く切り出す方法を身につけることです。
●毎朝出勤前に家の掃除をする
私は、出勤前に書斎(というほどのものでも有りませんが、自分が寝起きしている部屋)を掃除してから出勤します。
掃除というと「時間のあるときにするもの」と思っている人が少なくありません。だから、いつまで経ってもできない人がいるんですね。時間の限られた中で掃除をしようとすると、掃除のついでに手にとった本が気になって読み始めてしまう、などということは起きません。あと5分で出勤しないといけないという時に、昔彼女にもらった手紙をニヤニヤしながら読み返す人はいないでしょう。
つねに、終わりの時間を気にして作業すれば、単に動きがキビキビするだけでなく、タスクをこなす上でも良い影響が出ることは明らかです。「いつまでに終わらせる」ということを頭に入れる習慣のひとつとしても、ぜひやっていただきたい習慣です。
●キーボードの打鍵速度を測定して、より早くしていく
過去にヒットした本で『いつまでもデブと思うなよ』という本で紹介された方法で、「レコーディングダイエット」という方法があります。ものすごく単純な方法なのですが、
毎日体重を測ってそれを記録するだけで痩せられる
というものです。答えは簡単ですね。数字になれば、「この後、なにをどのくらい」が明確になるからです。
私が仕事や製品の改善のお手伝いをするときに、かならず、伝えていることがあります。それは「数値化すること」です。
定義できていないものは測定できない
測定できないものは数値化できない
数値化できないものは比較できない
比較できないものは改善できない
と言っています。たとえば、「会社の雰囲気をよくしよう」という活動をしたとしましょう。翌日に「朝挨拶をしたから雰囲気が良くなったね」と言われたらもうその活動は目標達成ですか?
雰囲気などというものは、測定できません。数値化できなければ比較はできないのです。比較できなければ、それが良くなったのか悪くなったのかは、その時の気分にもとづく主観でしかありません。そんなものは仕事では使えないのです。
「ポジティブに生きよう」などという目標は達成できないのです。ポジティブとはどういう状態を言うのか(定義)して、その状態をどのように客観的に見られるのか(測定)しなければ、改善したかどうかはわからないのです。
よく「数値になっていないものは目標ではない」ということを聞きます。それも同じです。
体の動きが素早くなったかどうかも同じで、客観的に測定可能な数字にする必要があるのです。
そのひとつが、キーボードをタイプする速度です。これは多くのツールがあります。何でもいいので、ひとつ選んでPCにインストールしておいてください。そして、それを毎日(毎週でもいいですが定期的に)比較するのです。
●仕事の定常業務のタイムトライアルをする
これは前出の「毎朝出勤前に家の掃除をする」の応用編です。
たとえば、上司から「先週の出張レポートを出して」と言われたら、おおよその見積もりを立てます。「30分でやれそう」と思ったら、スマホで30分のカウントダウンタイマーを設定して、作業を始めるのです。
途中で、誰かに話しかけられてもタイマーを止めてはいけません。とにかく30分で時間切れ、それで提出するのです。その結果、「何だこの中途半端なレポートは!」と怒られるのは甘んじて受けましょう。
だらだら仕事をすると、人間は最大速で作業をしようとはしなくなります。その結果あなたのひとつひとつの動作は遅くなっているのです。
●出席した会議の議事録係になる
議事録係をやるのは、ものすごくいろんな効用があります。
・その議題に関して暗黙的な主導権を持つことができる
・その議題に関する深い知識を多面的に得ることができる
・その後の活動に関して強い影響力を持つことができる
・他人の意見の趣旨を瞬時に見極めることができる
・表現力がつく
他にもたくさんありますが、ここでは、瞬発力があがるという点において、議事録係をおすすめします。
お通夜のような会議は別として、会議をすると、色んな意見が出されます。そして、それは人は耳から入れて理解したような気になります。そしてその自分の理解と自分の意見を組み合わせて発言をします。
これが時間的にみるとどんどん流れていくわけです。
議事録係は、それを素早く板書したりPCに打ち込んだりしなくてはいけません。「あ〜今の発言メモできてないので次の人は発言を待ってください」などといえば、会議の流れを断ち切ってしまいます。
なので、Aさんの発言を書き留めながら、同時進行でBさんの発言を聞き、人間の話すのと同じ速度で議事録を作っていかないといけないわけです。このトレーニングがあなたの行動速度全体を大きく底上げします。決して録音しておいて、あとで自動文字起こしを使ってテキスト化しちゃえ、などと横着をしてはいけません。
●朝起きるのを少しだけ遅くする
朝、どのくらいの時間をかけて出勤の用意をしていますか?
朝布団からでてから、出勤(家の玄関を出る)するまでが、例えば45分だったとしましょう。その時、5分だけ寝坊してみましょう。目覚ましを5分遅らせてください。
なにが起きるでしょう?
そうです。大慌てで出勤の準備をしなければいけませんね。その時に、いつもどおりきちんとやっても5分だけ縮められたら、その分あなたのひとつづつの動きは10%早くなっているはずです。
でも、遅刻してはいけません。
●歩く時に歩幅を小さくする
前述の「早く歩く」ことを意識すると、大股で歩くようになります。歩くためには地面を足で蹴って体を前に進ませないといけないのですが、足をつくという行為が速度を遅くするので、早く歩こうと思うと歩数を少なくする、つまり大股で歩くようにするのが最も効果的です。
この逆をやると、速度は遅くなります。が、逆にいつも歩いている速度よりも遅くなるので、「遅い!」と感じてスピードを上げるために足の動きが早くなります。この、早く足を動かすようになるというのがトレーニングになります。
イメージとしては、足の大きさ分だけ足を前に出すようにする、つまり、前に歩くときには、かかとが逆の足の爪先より前に出ないように注意すると良いです。ものすごくちょこまかした動きになりますが、素早く足を動かすトレーニングになります。
これは足の反射神経を鍛えるトレーニングにもなるので、老化対策としても効果があります。
●繰り返しやる簡単な作業(歯磨き、着替え)の時間を測る(少しでも短くできるように)
前述の「レコーディングダイエット」の応用ですが、ストップウォッチを持って、いつもやる定型的な作業
歯磨き
着替え
出勤後のPC起動まで
など単純作業の時間を測定します。
この後に『いつまでもデブと思うなよ』にあるように、その時間記録するとより効果的なのですが、重要なのは「作業の時間を測っている」という意識です。
これを意識するだけで、作業の時間は短縮化します。
心理学で「ホーソン効果」という言葉があります。これはホーソンという場所の工場で、明るさと生産性の関係を測定した実験なのですが、「測定している」という状況自体が生産性を上げた、というしょーもない結果の実験でした。これから、心理的に「測定している」「見られている」ということを意識するだけで人間の生産性は上がるという意味の心理学用語になったものです。
なら、最初からそれを狙って測定していれば、作業速度は上がるのです。
当然、日によっては落ちることもありますし、人間にとって限界速度はあるのですが、「測定している」という意識を持って作業をすれば、おそらく最も効率いいやり方で作業を自然にするようになります。
●メトロノームを鳴らしながら作業する
メトロノームのあの「コチ、コチ」という音は、作業をする時にリズムを作ります。それに乗って作業をするようにすると、作業速度が調整しやすくなります。それに慣れたら、メトロノームの速度を少しづつ早くしていきましょう。
すると、作業もそれに合わせて早くなります。
随分昔のマンガですが『ガラスの仮面』というマンガで、主人公がリズム感をつけるために、激しいロック音楽を流しっぱなしにして舞台稽古をするシーンが出てきます。その結果主人公はすごいリズム感を身につけるというお話なのですが、リズム感は無意識に刷り込まれると、それが自然に使えるようになるのです。
●速読する
本を読む速度というのは、基本的には、印刷・表示された画像のうち、必要な部分を文字として自分の脳内にある文字マッチング処理をして意味解析して、そこから作者の意図を汲み取るという作業です。
これが早くなるということはすなわち思考速度を上げることにほかなりません。
速読の方法はいろいろありますので、自分にあった方法をとればいいですが、すくなくとも2種類くらいのセミナーに参加してみてください。どちらかが良いと思った方法を継続すると身につきます。ひとつだけだと、自分にあっているかどうかわからないので、少なくとも2つ以上の方法を試してみてください。
●本を2冊並列読みする
並列読みというのは、一般的には、時間をずらして2種類の本を読むことなのですが、ここで言っているのは全く同時の2冊の本をよむことです。ただ、ビジネス書を2冊同時にとやろうとすると、頭がこんがらがるので、全く違う種類の本が良いです。
この歩法は、『年収が10倍にになる速読トレーニング』という本に紹介されていた方法です。
★P87〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
●デュアルインプツト・リーデイング
デュアルインプツト・リーデイングではたった2冊の本の、それも写真集と絵本という、イメージしやすいものでストーリーを追つてください、といっているだけなのです。
そんな簡単な話なのに、2冊の本の同時読みといわれた瞬間に「そんなことできるわけない」と思つてしまうから、当然ながらできないわけです。難しいと思い込んでしまうと、脳内でイメージが広がつていかないのです。
本当は逆です。2冊同時読みではなくて、「たった2冊に視野を限定している」のです。しかも、いつも私が提案しているのは、文字が普通に詰まつた単行本の2冊同時読みトレーニングです。
しかし、今回はイメージづくりをまずしてほしいために、写真と絵本というゝ難易度でいえば、一番低いものに設定しているのです。
ともかくやってみてください。簡単にできるはずです。
慣れてきたら2ぺージ、3ぺージを一気にめくつて各ページの映像をイメージしてほしいのです。コツとしては`各写真にっいて一言で言い表してみるのもいいかもしれません。言葉は何でもいいのです。バツグが赤ければ「アカ」でもいいですし`飲み物が映つていればその飲み物の名前や映像でもいいのです。それをタグにして記憶していくのです。
ちなみに2冊の写真集で行うことも可能です。ただし、その場合には種類の違うものにしてください。車の写真集2冊やアイドルの写真集が2冊というように、同じジヤンルのものではなく、ー冊が車だつたら、もうー冊はアイドルなど、一目瞭然で違うもののほうが並列化しやすいのです。
最後に写真集と絵本を閉じてください。
すると、脳内に写真集のあるカツトや、絵本のある絵が浮かんでくると思います。これを今度は言語化してください。絵本だったら、「赤鬼が舌を出して逃げている」「裸足でその爪は鋭い」など、意外にいろんなことが言語化できることに気づくでしよう。
苫米地英人(著) 『年収が10倍にになる速読トレーニング』
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