ファイルを開く時に、Explorer を開いて、そこからフォルダの階層をたどって開いてませんか?
フォルダに整理するというのは、ファイルがどのフォルダにあるのかがわかっていても、分類が細分化されてしまえば面倒くさいことになります。
特定のファイルを開くまでに、5階層もフォルダを開かないと出てこないなどというのは、そのファイルを編集するという成果がある作業に対して、そのファイルを開くまでの過程は単なる時間の無駄でしかありません。
■Windowsキー+Sキー
Windowsのデスクトップを見てみると、左隅にウインドウのアイコンがあり、その横にテキスト入力をするテキストボックスがあることはWindowsユーザならご存知でしょう。
じつはこれを使っている人はあまり多くないみたいな印象があります。これを使えばWindowsはもっと便利に使えます。
さらにこれはキーボードの Windowsキー を押しながら S キーを押すとテキストボックスの入力可能な状態になります。
以下では、この操作を WIN+S と表記します。また、ここで立ち上がる機能を "ウインドウズサーチ" と呼びます。
■ウインドウズサーチの機能
ウインドウズサーチにはいくつかの基本的な機能があります。
1.Windowsが管理しているフォルダにあるファイルを探し出して編集できるようにする
2.アプリケーションを起動する
3.関連する単語をWebで検索する
4.その他連絡先、関連しそうな画像、音楽、メールなどを検索する
まあ、とにかくPCやネットにある関連情報を検索することができるという非常にすぐれものなのです。
たとえば、コントロールパネル(ウインドウズの設定)を立ち上げる時に、あなたはどうやって起動してましたか?
ウインドウズアイコンをクリックして、右端に出てくる歯車アイコンで起動する
ウインドウズアイコンをクリックして、アプリ一覧の中から "設定" を探し出してクリックする
多くの人がこういう起動方法をしているのではないでしょうか。
ウインドウズサーチを使用すると、ウインドウズサーチのダイアログボックスに、"設定" と入力することで、設定のアプリが起動します。いちいち日本語に切り替えるのが面倒なら "setting" (途中まで入れるだけでも起動します。渡しの場合は "set" で十分)とタイプしても起動させることができます。
WORDなら WIN+S で "word" と入力してリターンキー。これでWORDが起動します。
こうすると、いちいちマウスを握らなくても必要なアプリを起動させることができます。
もうひとつ例を。
たとえば、「形而上学」ってなんぞや? と思った時に、多くの人がなにをするかというと、Chrome や Edge を起動して、Google のポータルページを開き、そこに "形而上学" と入力します。同じことは、ウインドウズサーチでもできるのです。
WIN+S そのあと "形而上学" でリターン
はい完了。実はリターンを押さなくても、形而上学と入力した時点で、その説明が右側に表示されましたよね。
もしかしたら以前にそれに関するメールを貰っていたかもしれない場合には、候補にそのメールが表示されたのではないでしょうか?
もしあるはずなのに表示されなかった場合には、上の方にある "その他▼" をクリックして、電子メール を選択してください。多分表示されるはずです。
ようするにその PC の中で Windows が識別できるものはほぼ全てここで検索できるのです。
面白い機能として、WIN+Sを起動した後にでてくるウインドウの右隅にカメラのマークがあります。
これをクリックすると、画面のエリアを選択して、そこにあるものと同じような画像をネット上で検索してくれるという機能があります。スマホなどでGoogleアシスタントの画像検索と同じですね。
■Windowsサーチを便利にする
Windowsサーチは、指定した場所を検索しています。これは、
Win+S で "検索"
と入力して、右側に表示される "Windowsの検索" から "拡張" を選んでおきましょう。そうすると PC 内全体を検索してくれます。
いくつか検索をスムーズにするためのコツを書いておきます。
◆インデックスの作成
ただし、毎回検索をすると時間がかかるので事前にどんなファイルがあるからのデータベースを作成しておくと高速に検索ができるようになります。事前にファイルの一覧を作っておくことをインデックスと言います。これはインデックスの設定で変更可能です。
インデックスの設定は
Win+S で "インデックスの設定"
で表示されるダイアログボックスに検索対象のフォルダを指定するだけです。メールなどもここでの設定で検索対象に含めてくれるようになります。
これで瞬時に検索結果が表示されるどころか、入力している途中でも検索対象が表示されますので、全部を入力しなくても、一部だけでも入力すれば、すぐに必要な情報に到達できます。
◆デスクトップにショートカットを作る
よく、"年計.xls" などありふれた名前でファイルが作られることがあります。これを "年計" などと検索しようとすると、何10個もファイルが引っかかります。このため、他と区別した名前をつけたいのですが、「会社ではこの名前で統一している」とかのルールがあったり、上司が作った共有ファイルなどだと、勝手に名前を変えてしまうと怒られかねません。
そこで、デスクトップに "Shortcut" というフォルダを作っておきます。
そこにそのファイルへのショートカットを作っておきます。このショートカットは自分だけのものなので、"2022年度年計(●●さん作)" とか言う名前にしてしまっても誰にも迷惑はかけません。
実行ファイルなどへのショートカットも自分が入力しやすい名前にしましょう。
私は、ファイル名に日本語があるといちいちかな漢字変換をしないといけないので、勝手に英語の名前のショートカットファイルを作って "Shortcut" フォルダに放り込んでいます。
ファイルサーバ(共有フォルダ) にあるファイルは、インデックスを作ったり、ウインドウズサーチで探すことができません。実はドライブにマップする(読んでわからなければ、無理にやらないほうが吉)なんていう方法もあるのですが、ファイルサーバの全ファイルのインデックスを作らせると数十万ではきかないファイルのインデックスを作ることになるので、あまりおすすめではありません。
自分に必要なファイルだけをショートカットファイルを作ってローカルに置いておいたほうが、検索も早いですし、自分勝手な名前をつけられるので便利なのですよ。
また、ショートカットを作る時に、過去にアクセスファイルは以下に保存されています。
WIN+R で "recent"
これで最近使ったファイルの一覧が表示されます。ざっと見てみて、このファイルまだ使いそう、と思ったらこのファイルも "Shortcut" フォルダに移動させておきましょう。ファイル名もわかりやすいものに変えておいてください。
◆アプリを起動する
アプリを起動する時に、マウスに持ち替えるのが面倒です。できるだけキーボードで操作したいですね。
何しろ、指は10本あるのに、マウスは1つだけしか指示できません。10倍早く操作できるのですよ。もったいない。
とくに最近は PC の操作環境をよくするために大画面のモニタ、マルチモニタなどを導入している方が多いので、マウスを画面端から画面端まで移動させるのに、マウスを滑らせて、もちあげて位置を戻し、またマウスを動かすという操作をしている人が多いです。なので、マウスのクリック音よりもこの上げ下げの音のほうがうるさいくらい。
そんなことをせずに、WIN+S でアプリ名を入れましょう。たとえば、メールアプリは
メール 日本語で入力
mail 英語で入力
どちらでも起動できます。もし、Chrome を起動したければ、
WIN+S で "chrome"
と入力するだけです。何度もやっていると Windows もそれを記憶してくれるので、私の場合は C キーを押した途端にクロームが候補に出てきます。
◆キーワードを付けて検索対象を絞る
Windowsサーチでは、対象の条件を絞り込みができます。たとえば、"会計" というファイルとフォルダがある時に、
フォルダ:
というプレフィックスを書いてやると、フォルダだけが候補として表示されます。具体的には
WIN+S で "フォルダ:会計"
と入力してやることです。メールの中から "会計" を探してほしければ、
WIN+S で "メール:会計"
です。
■分けるな、検索しろ
私は、ファイルをフォルダに分けて保存することはなく、ほとんどのファイルは同じフォルダ内に放り込んであります。
この理由はいくつかあるのですが、フォルダに分ける、というのは、ファイルの中身によって分類しなければいけないということです。ところが、この分類というものが、人間の認識は意外と曖昧で、全てが正確ではありません。いわゆる、「もれなくダブリなく」最初に分類表がないといけません。
ところが、活動は年度によって違うし、それが集合離散することも少なくありません。
また、プロジェクトごとに分けたとしても、プロジェクトをまたがる情報とというものができてきます。たとえば、部員のメンバーリストには、関係するプロジェクトごとにまとまったひょうであれば、どこのプロジェクトにも入れられません。
そうすると、ファイルを保存するときには、このファイルはどこに入れればいいだろう? と迷うことになりますし、ファイルを探すときには、「もしかしてこっちのフォルダに入れたかな?」とファイルを探し回ることになります。
多くの人は、ちょっと前に作ったファイルの在処を探して、フォルダ内をあちこちさまよい歩いた経験があるのではないでしょうか。
「探す」という行為は生産性が0です。それなのに、それを1時間もやっていたら泣けてきますよね。
探してはいけないのです。検索してください。ようするに探すという行為はせずに、コンピュータに任せてしまえばいいのです。コンピュータにとってもそのほうが得意分野です。
だから、分けるな、探すな、検索しろです。
そのためのツールとして、検索機能があるのです。それを高速化するためにインデックス機能があるのです。
使わなければ損ですよ。
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