「考える」ということは非常に抽象的なことがらで、よく「ちゃんと考えろ!」と上司からお叱りを受けることはありますが、どうなっていたらちゃんと考えたといえるのかについてその上司に上司に質問したらちゃんと指導してくれるのかは大いに疑問なところです。
■「考える」とはなにか
「考える」ということは何かというと、人によって、あるいは見方によって大いに異なっています。
しかしある一面において言うと、「様々な方向から対象を見て、その影響や根拠を検討すること」という側面もあるのではないかと思います。
■考えるためのトレーニング
しかし、こういうことを、じっくりするのは案外難しいものです。なぜなら、自分の周囲においては次々と、そうする必要のある場面が流れてきて、それらについてひとつずつ丁寧に「考えている」時間はないからです。
このため、より迅速に考えることができるようになることで、会話においてもより多方面からの検討した結果を提示できるようになります。そのためにおすすめトレーニング方法をご紹介します。
その基本は「ディベート技法」にあるのですが、ディベートについて述べていると、本が何冊もかけちゃうので、ここでは、具体的に何をすればいいかの一端だけをご紹介します。
■4つの指摘
その方法とは、新聞の社説欄を見ることです。
ただ社説欄を見ているだけでなく、その社説欄の趣旨を理解し、それに対して
・言わんとしていることを一言で要訳する ・結論に対して反論し、その誤謬を指摘する ・結論について賛成し、結論強化する所見を述べる ・主旨について、そこに述べられていない意図を説明するこの4つを毎日やってみてください。
なれないうちは、これをノートに書き出すと良いでしょう。ゆっくりやれますし、書いてある物を見ることで自分の所見を客観的に見ることもできます。
これに慣れてきたら、同じことをニュースに対してやってみてください。
そして、最終的にはキヤスターがニュースを読んでいる間に、最低五つの疑問を提示することができるようになると、会議でも的確に重要な点に関して所見を述べることができるようになります。その結果あなたの意見はあなたのチーム内で大いに影響力を高めることが可能になります。
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