過去に、下記のようなことにトライして、いつの間にかやらなくなってしまった経験はないでしょうか。
これらはいろいろな書籍やセミナーなどで、ほぼ必ず紹介される時間管理手法です。
・朝4時起きすればもっと高い成果が出せる・睡眠時間は6時間がベスト・飲み会に行くのは時間の浪費・通勤時間に本を読みなさい
・スキマ時間にやれるちょっとした作業を持ち歩こう・30秒で取り書かれるように準備しよう■自分のレベルは一流ではない
最終的に、書籍の著者や講師は人生におけるある程度の成功をした人です。大学の先生だったり、セミナーで「〜〜とはかくあるべし」と教えをといている講師であったり、自分の会社の社長よりも高給取りのコンサルタントであったり。
普通の平々凡々のサラリーマンからすると雲の上の人です。そんな人が普通にできるからと言って、平々凡々のサラリーマンにとってはたやすいことではありません。それがたやすかったらその人はその他大勢でいることはないでしょう。
そうしたレベルの高い人の表面的な行動をまねてもうまくいかないということです。二枚目映画スターと同じ服装をしても、あなたが「キャーキャー」騒がれることはありません。あなたにカメラを向けられることもありません。コスプレ大会を除けば。
問題の本質は、あなたにあった方法をあなた自身が見つけなければいけないということです。そのためには、そもそも時間管理というのはどのようなものかをあなた自身が理解し、それを実際の場面で応用していく必要があるのです。
■時間管理がうまくいかない理由
書籍でもWebでも「時間管理」と検索すると、ものすごく多くヒットします。なぜでしょうか?
時間管理には、数多くの亜種を含めて、さまざまな目標があります。それは、この時間管理が一筋縄ではいかない数多くの問題を内包しており、それを様々な人が、その人にとっては有効だと思える様々な手法を生み出しているからです。そしてそれだけ亜種があるということはみんなそれぞれ、うまく行っていないのです。
時間管理がうまくいかないのは、それほど難しい理由はありません。いくつかを例に上げると以下のようなものがあります。
・時間あたりの生産性の最大化のための単純解がない・見積もり時間と実際の時間が常に異なる・自分の都合では制御しきれない時間がある・習慣が管理の邪魔をする・時間を正しく捉えていない・時間の浪費を具体化していないこれらの問題の詳細は本書『仕事の生産性を上げる技術〜時間管理編〜(上)』に譲りますが、最終的に時間管理の目標は、これらの影響を最小化することになります。影響をなくすることはできません。
このためいかに最小化するかが、もっとも重要な方針になります。もちろん、その最小化するための方策はそれぞれの人自身やその人の置かれた環境によって効果が異なります。その人自身の能力や環境も常に変わっているので、先日までうまく言った方法が、効果を無くすることもしばしばです。
したがって、最小化するための方策を常に模索し続けないと、「時間をうまく管理できている」という状態は維持できないのです。また、いまの手法が最適だとは限りません。より良いやりかたを発見することもあります。それによっていままでの時間効率が悪かったとあとになって気がつくこともあります。筆者自身、後で振り返ってみて、「あのとき、今の時間管理をやっていれば…」とホゾを噛んだことが何度もあります。
それぞれを詳細に説明すると長くなってしまうので、これは、書籍『
仕事の生産性を上げる技術〜時間管理編(上)〜』に譲ります。
たとえば、ドラッカーも、年に数回は、自分の時間の使い方を実際に測定し、それと自分の感覚のズレを修正したり、時間の使い方を見直したりしていたそうです。つまり、ドラッカーほどの人でも、時間を正しく捉えられてはいないのです。それをたかがイチ平凡なサラリーマンが、感覚だけでやれるわけがありません。正しい習慣が身につくはずもありません。
これらの失敗する要因の影響を小さくする工夫こそが、時間管理のキモなのです。
「頑張って朝4時起きをする?」馬鹿なことを言っちゃいけません。
他人に「時間管理の方法」を講釈できるくらいになれば自然にやってますよ。
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ある漁師が、新しい網を手に入れた。初めて使った日には100匹の魚が取れた。漁師はもっとたくさん取ろうと何度も漁に出るようになった。しかし、量に出れば出るほど取れる魚の数は少なくなり、漁師が漁に出る時間はますます長くなった。漁師仲間が彼に聞いた「なぜ網を修理しないのか。穴だらけじゃないか」と。 漁師は答えた。「そんなことをしている暇はないほど忙しい。もっと魚を取らないといけない」。
本書は、あなたの目標達成を手助けするために、時間管理の手法について書かれた本です。時間管理についてあなたが抱えている問題のいくつかを解決するための手助けをしたいと考えています。そのために、「時間」という認識しづらいものをどのように捉え、どのように生産性を上げるために利用するのかについての原理原則を提示します。
従来のビジネス書では、非常に抽象的な時間管理の手法の紹介になるか、非常に具体的で環境依存になって応用のしづらい紹介になるか、出版物にするという制約の中で、ピンポイントに絞られていた時間管理の手法について、その全体像を示すとともに、それを応用したTipsを600ページ超にわたって解説しました。
本書、上巻では、時間管理の概要と効率が高まる時間の管理方法を論じます。 時間管理においては、管理するものは時間ではありません。時間を消費するもの、すなわちその時間に「何をするのか」を管理することで、時間あたりの生産性を高める方法について述べます。 このために、時間管理の3つの管理手法について述べています。最初は時間の配分の方法。次に時間の密度を高める方法。最後に作業の方向性を管理する方法です。従来の時間管理手法に関するノウハウはすべてこの中のいずれかに分類できます。これらのノウハウが生み出された論理的背景と現実への応用方法について述べます。
とくに注意すべきは「時間を記憶してはいけない」ことです。時間は物理量としては認識しづらいため、時間に関する記憶は曖昧になりがちです。記憶ではなく記録し、時間を見える化をする方法が重要です。また時間の自由度に応じてどのような手法を用いるかの選択を適切にしなければ、生産性をあげることはできません。
あなたは、人生という大海で漁をしています。魚をたくさん得るためには、一度漁に出るのをやめて、網を修繕する時間を作ってください。網を修繕するだけでなく、もっと高性能な網を使った漁労方法を知れば、あなたはより短時間でより多くの魚をとることができるようになります。本書は網を修理し、多くの魚を得る方法について詳述します。
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