仕事の生産性を高める重要な法則として、重要度・緊急度マトリクスがあります。
ほとんどの人はみたことがあるとおもいますが、このマトリクスはそれぞれ重要度・緊急度ごとに「高」「低」に分割して、4現象を作ります。
1.重要度:高 緊急度:高
2.重要度:低 緊急度:高
3.重要度:高 緊急度:低
4.重要度:低 緊急度:低
この4つのパターンが出来上がるので、今持っているタスクをこれに割り当てて、優先順位を決めるというものです。
■マラソンの給水所
突然話は変わるのですが、マラソンは途中に給水所がありますね。
マラソンは、走っている最中に体から水分がかなり失われるので、協議途中で水分や栄養補給をしないといけないのです。
マラソンの選手は、「のどが渇いてきたから次の給水所で水を飲もう」と考えて給水所によるワケではないそうです。「喉が渇いた」時点ですでに脱水状態になっているので、そこから給水所まで走ることができない、または水が全身に行き渡るまでにパフォーマンスを落としてしまうということらしいです。
だから、途中で「喉が渇いた」と感じる前に水分を補給するのだそうです。
■緊急度が高くなる理由
これはタスク管理でも同じことで、緊急度が上がってきたからこのタスクを優先にやろうとおもっても、そのタスクをやるための準備、資料の収集などをやっているうちに、期限ギリギリになってしまって、あとはやっつけ仕事をするか、「すみません、まにあいません」と報告することになるのです。
重要度だけど急ぎではないことというのは、あとになって効果が出ることが多いです。
たとえば、プレゼンの技術を学んだとしてもすぐにプレゼンがうまくなるわけではありません。さまざまな要因が絡まって、何年かあとに効果が出てくるものですが、一度身につけてしまえば、一生モノの技術になります。
一時的に効果のあることだけをやっていると、やがて成長は減速していき、多少のテコ入れ程度では効果が出なくなってやがて、時代遅れの技術にしかならないのです。
マラソンの選手が「喉が渇いた」と思う前から水分を補給するように、仕事の技術も将来必要になると思われるものを前もって準備しておかないと、必要になってから、つまり緊急度が高くなってからでは十分な学びの時間はなく表面をなぞるだけの不十分な知識や学習で本番投入になって成果が出せないということになるのです。
たとえば、管理職になってから部下マネジメントを学ぶのは手遅れです。管理職にになる前に、十分なトレーニングを積んでおいて、管理職になったらそれを従前に発揮できるようにしておかなければ成果を出すことはできません。
いま活用できていて、他の人との差別化になっている技術は数年後には誰でもやれる技術になります。だから今、新しいことを勉強し、次に備えなければできるようにはなりません。
今やらないと緊急度は高くなり、それを学ぶ時間がなくなります。
60歳になってから、年金だけでは生活できないとわかっても手遅れです。20歳の頃から貯蓄し、投資の勉強をしておかなければ、定年になって慌てて投資に手を出して、老後資金のすべてを失うだけの未来しかありません。
■種まきをするのは今!
「重要だけど緊急ではないこと」は私は「種まき」と呼んでいます。種をまいて実がなるまでには時間がかかります。そのタイムラグを意識するために、「種まき」というラベルを付けています。
会社経営であっても、組織運営であっても、また個人のスキルであっても、このタイムラグをどうするかが生命線であり、このタイムラグを軽視している人、もしくはそもそも意識していない人は、どこかでかならず破綻します。
あと2ヶ月で入金が期待できるのに資金が持たなくて潰れてしまった。
あともう少しで成果が出そうなのに、それまでに予算が底をついてしまってせっかくの良い企画が中止になった。
ファシリテーションの技術を知らないばかりに、会議がうまくまとめられなかった
世の中にはそんな事例がおおくあります。どれもこれも、タイムラグが起因しています。
タイムラグは必ずあるものだから、そのタイムラグを見越して、「その時になったら考える」「必要になったときに準備する」では遅いのです。
だから、重要度が高いこと、将来重要になりそうなことに関しては、種まきをするタイミングは「今でしょ!」になると考えています。
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