ローマ字入力は習得は簡単ですが、タイプする回数が多くなりがちで、日本語の入力速度はかな入力に比べて半分以下です。これはちょっとした工夫をすればかな入力並みに引き上げることができます。これをgRidsと名付けて公開することにしました。
■gRIDsのアイディア
gRIDsのローマ字入力方法は、筆者のオリジナルな方法ではなく、多くの先人の知恵の結晶を筆者が勝手にカスタマイズしたものです。
ローマ字入力の拡張として有名なものにAZIKがあります。これは木村清氏の提案したローマ字入力の拡張です。
これは日本語をローマ字で表現したときに、使用頻度の高いパターンがあることに着目して、このパターン(複数個のローマ字アルファベット)をローマ字では2文字目としてはほとんど使わないキーに割り当てることでタイプ数を減らしています(具体例は詳述します)。
■AZIK
AZIKについては以下のページを参照してください。
AZIK総合解説書 (vector.co.jp)
http://hp.vector.co.jp/authors/VA002116/azik/azikinfo.htm
このAZIKの素晴らしいところは、日本語を「音拍=1文字」でなく、音素にまで分解し、この出現頻度の高い従音のローマ字入力をひとつのキーに割り当てたことにあります。つまり、日本語を2音拍(小書き文字を除くひらがな2文字)にグルーピングし、さらにこれの音素に分解します。
この「かう」の例でいうと、「k」に相当する部分を本書では「主音」、「au」に相当する部分を「従音」と呼びます(これは本書独自の呼び方です)。
ここで、従音に相当するローマ字のパターンは、使用頻度に結構な偏りがあります。そこで使用頻度の高いものを、ローマ字として使用していないキー(たとえば、ローマ字2文字目の wキー )に割り当てることで、使用頻度の高い2文字を2回のキータイプで実現できるようにしたのがAZIKです。
上記の事例で言えば、AUに相当する機能を wキー に持たせたとすれば、
kau
とタイプするのではなく、
kw
とタイプすることで、「かう」というひらがなを得ることができるようになります。
AZIKは実際にGoogle日本語入力だけでなく、Microsoft IMEなどでも利用できるようになっているので、ぜひ一度試してみていただきたいと思います。
■AZIK→gRIDs
本書で紹介する『gRIDsローマ字拡張』は、このAZIKで提示された主音、従音を分解し、使用頻度が高い従音を1キーに割り当てる発想をベースにさせていただいて、より多くのパターンをカバーしてタイプ数を減らすとともに、それを覚えやすいようにキーの配列に一定の法則性をもたせたものです。
■Google日本語入力
gRIDsローマ字拡張では、カスタマイズ性に優れたGoogle日本語入力の使用を前提としています。Google日本語入力の特徴は多くありますが、そのひとつにローマ字定義の自由度が高いことが挙げられます。
Windows標準であるMicrosoft IMEでは、ローマ字として許されているものはアルファベットだけです。一方でGoogle日本語入力では、アルファベット以外の記号もローマ字として定義できます。さらに2文字の ひらがな でもひとつのローマ字として定義可能です。
たとえば、”t3”という入力に対して、「つん」というように2文字の ひらがな を割り当てることが可能になっています。
これは正統的なローマ字としては意味をなしませんが、せっかくあるキーを無駄にしないという意味で重要になります。
多数の文字を使用しなければならない日本語にとって、キーの数は多ければ多いほど、タイプする数を減らすことが可能になります。
したがって、gRIDsローマ字拡張ではGoogle日本語入力でしか使用できない機能が多数含まれています。
もし、Windowsをインストールした時点でMicrosoft IMEが入っていたという理由で、Microsoft IMEを使い続けている方は、ぜひGoogle日本語入力の使用を検討してみてください。予測変換機能やタイプミスの自動補正機能などMicrosoft IMEよりも効率的に入力ができるようになります。そして、Google日本語入力上でgRIDsを使えば、さらに入力効率を高める事ができると考えます。
■参考図書 『gRIDs』
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gRIDs 著者 :影無春雪 | 楽天では見つかりませんでした |
●本書を引用した記事
ローマ字入力を倍速で入力する方法〜gRIDs〜
gRIDs〜倍速で日本語をローマ字入力する方法
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