2011年11月24日

成功事例を教えてくれ


先日から、会社の業務プロセスを変えようと、あちこちで調整作業をしてます。
で、ようやく合意を取り付けて、それに関するコンサルに一度講演をしてもらうことにしました。講演をしてもらい、関係者全員が、改革の必要性を理解してもらうという趣旨です。

ところが、その場で出てくる質問が、
特に意味なし
 その改革を他社に導入したときに、うまくいった事例を教えてくれ

という質問。

 アホか

もちろんコンサルの方は非常にいろいろな経験をされていますので、いろんな事例を教えてくれます。ところが聞いた人たちは、こんな反応をするわけです。

 「他者事例だと、××のところで、うちはうまくいかないよな」
 「あのやり方では、うちのやり方だとあわないよな」


課長級の方たちからして、この程度の意識です。

つまり、誰かがうまくやれたことをそのままコピーして自社に適用しようとする。そんなものうまくいくはずがないじゃぁない。

コンサルはいろいろな事例を知って、それを別の環境にうまく適用させる応用方法を知っているから、新しい環境でもうまくやれる方法論を知っている。

これを

 「一般化」とか「メタ化

といいます。

たとえばISO-9000。いろんな会社でとってますが、ISO-9000の基準書に書いてあるのは、それを一般化したものであって、その導入事例はあくまでもほかの会社の「例に過ぎない」わけです。
それをそのまま適用しようとしてもうまくいくはずがない。うまくやろうと思ったら、人員から製品まで、その会社と全く同じにする以外にない。

このブログでも、いろんな具体例を紹介していますが、それをそのままやって、自分と同じような成果をあげられると思われるなら、読む必要はありません。

 時間の無駄です

そんなことにチャレンジするくらいなら、今迄通りのやり方をしてたほうが、よっぽど余計な手間をかけずに済みます。

 人のやったことを、自分なりに解釈して、自分のやり方に落としていく
 人のやったことを自分に適用するためにはどうすればいいかを考えて適用する


ようは一生懸命考えることです。ここでいう考えるとは、

 一般化する ⇒ 特殊化する

ということで、特殊化とは自分の環境に合わせて応用することです。
※注記※これを、テーラリングとかインプリメントとか言うようです。

ネット検索で、自分にそのままあてはまる、すごいテクニックを探して、ここにたどり着いた方、あなたは時間を無駄にしてますよ。


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2011年11月23日

BROTHER MyMio A4インクジェットFAX複合機

BROTHER MyMio A4インクジェットFAX複合機 MFC-J850DN



今、自宅にあるのがこれ。


ほとんどのFAX付き複合機は、本体に電話線をつなぐタイプですが、これは子機の充電台に電話線をつなぎます。

 逆転の発想!
 
普通、電話線は玄関口や、ユーティリティスペースにありますよね。でも、パソコンはそこにはない。複合機なので、当然パソコンにつないで使いたいのですが、まさかユーティリティスペースにパソコンを持っていくわけにもいかず、今までは

 なが〜い電話線をリビングまで引っ張ってくる

ことで、パソコンのそばに複合機を置いてました。

ところがこの製品は、複合機の電話を受ける部分を充電台に分離しちゃっているので、充電台がユーティリティスペースにあって、そこに子機が付いている状態。
なので、複合機本体はどこにでも置けます。

どうやら本体と充電台が無線LANでつながっているようで、置き方は自由になりました。

 この発想はすごい。

去年から年賀状はこれで印刷してますが、画質も全く問題なし。

ただ残念ながらこのモデルにはADF(連続原稿読み取り装置)がありません。なので、複数舞のスキャンやFAX送信は1枚ずつ、フラットベッドで手作業で交換しながら読み取らせないといけません。
これにADFがほしい! そうしたらもう完璧。

同じような製品で、MFC-J855DNという製品もありますが、ちょっとどう違うかよくわからない。たぶんモデルチェンジしているのだと思いますが、大差はなさそうなので、MFC-J850DNのほうがぜったおお買い得。

ADF付きが出たら買い換えようと思ってますが、現状では売れ筋のHPやEPSON,CANONにはない製品で、非常に満足してます。

■気に入った点
 ・本体と電話機が分離されている
 ・フラットベッドで本のスキャンができる
 ・無線LAN、USB両対応
 ・印字がきれい、はがきも十分
■残念な点
 ・ADF(連続原稿読み取り装置)なし
 ・ちょっと色が…
 ・インクが自然になくなる


ラベル:BROTHER 複合機
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2011年11月09日

事実と真実


国語辞典で調べると下記のように書いてあります

  事実
  実際に起こった事柄。現実に存在する事柄

  真実
  うそ偽りのないこと。本当のこと。また、そのさま。まこと。

この2つの違いは、「事実」が起きた事象そのものをさしているのに対して、「真実」はそれが人間に受け取られたときに発生する事柄も含んでいます。ところが一つの「事実」があったとしても、それはそれを観察する人によってその受け取り方は、千差万別です。

アニメの「名探偵コナン」の決め台詞で

 「真実はいつもひとつ!

っていうやつがありますよね。これを聞いていつも思ってしまうのですが、

 大嘘じゃん
 
同じ事実を見ても、受け取る人によっては、それは「好ましいこと」に見えたり、「好ましくないこと」「悪いこと」に見えたりしますよね。さらには、同じ人がその「事実」を後から振り返ってみたときにもその評価は変わりますよね。

−−−−−−−−−−−−−−余談
ところで、コナンって「名探偵」とか言ってますが、まぁ確かに推理力は大したものでしょう。でも、コナンが行く先々で、今まで平穏に暮らしていた人たちが、何らかの事件、多くは殺人事件に巻き込まれる。こいつが来なければ、もしかしてもっと平和が続いたかも。なんて考えると、我が家では

 「疫病神コナン」

でないの? という評価で一致してます。
まぁ、事件が起きなくて、コナンが何もしないのであれば、単なる「ませたガキ」でしかありませんが…。
−−−−−−−−−−−−−−余談 終わり


たとえば、あるプロジェクトを推進していて、なかなか成果が出ない。そのうちに上司からプロジェクトの打ち切りを宣告される、なんてことはサラリーマンをしていれば、ままあることです。

その時に、

 「あ〜、このプロジェクトは失敗だった」
 
って思うのは、ある時点、ある人の見かたでしかないです。

「打ち切り」ということは事実としてあります。でもなぜ「失敗だった」と思うんでしょうか?
「だめだった」という主観的な評価を加えた時点で、思考は停止して、あの時もうちょっといい実験結果が出ていれば、とか、あいつがあそこで邪魔しなければ、とか、「〜れば」「〜だったら」「もし〜」という過去に向かった仮定の話しか出てこなくなります。
あとは愚痴しか出てこない。

自分のお気に入りの本に、こんなフレーズがあります。

仕事は楽しいかね?  デイル ドーテン
images.jpg
繰り返すけど、計画なんてたいていうまくいかないものだしね。きみにわかってもらいたいのはね、アイデアというものはなかなかうまくいかないかもしれないけど、試してみることはそうじゃないってことなんだ。「実地演習に失敗はない」と言ってもよかったかな。
それも正しいし、理解はしやすかったかもしれない。
ただ、いいかい。何かをやってみて、それがろくでもないアイデアだとわかったとき、きみはもとの場所に戻ることは絶対にない。必ず、何かを学ぶからだ。学ぶべきことが何もなかった場合は、その前にしていたことに高い価値をおくべきだってこと。そういう意味で僕は、
 試してみることに失敗はない
というのは真実だと思っている。それをきみにも信じてもらいたい。だけどそれは、"科学的方法"だの"対照のための非実験グループ"だのについてまじめくさって話したいということじゃない。ただ、いろんなことを楽しくやって、新しいことを試してみて、いつもしっかり目を開けておいてほしいってことなんだ。


・そのプロジェクトを通じて得たものは何だったでしょうか?
・そのプロジェクトをする中で新しい人脈はできたでしょうか?
・うまくいかなかった理由があるとして、それは何をすれば改善できたでしょうか?

そう、以前の記事で学習することについて書いた
−−−−−−−−−−−
学習のサイクルというのは

 @実践
 A経験
 B省察
 C概念化

を繰り返して、その人の学習が成り立っているそうです。
−−−−−−−−−−−

の省察の部分が、ありさえすれば、そのプロジェクトは、プロジェクトの目的自体は達成できなかったけれども、

 あなたのキャリアにおいてはプラス

になっているんです。2度と元に戻ることはないのだから。

プロジェクト打ち切りということ自体は、まぎれもない事実です。しかし、その経験を活かして、
 じゃぁこんどはこんなプロジェクトをやってみよう
 次はこんな風にやってみよう
と思えるとき、それは事実を超えて真実の姿があるのではないでしょうか。


以前、ブラザー工業で「ソフトベンダー武尊(TAKERU)」というシステムがありました。そのシステム自体は、時代を先取りしすぎたのか、撤退することになりますが、その失敗を生かして(技術を生かして?)、通信カラオケJOYSOUNDが出来上がったそうです。
参照:Wikipedia ソフトベンダー武尊


現在ブラザー工業(子会社エクシングが運営している)のカラオケのシェアは第一興商とならび2大巨頭(ほぼ2者で寡占状態)だそうです。

いや、こんなのを例に出すあたり、年が知れちゃいますね。
ラベル:事実 真実 省察
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2011年11月01日

3人の職人と墨俣城

cologne_cathedral.jpgたぶんいろいろな研修や講演でで話が出るのでご存知の方も多いと思いますが

旅人がある町を歩いていると、レンガを積んでいる職人が3人いるのを見かけた。
旅人は最初の職人に「何をしているのか」と尋ねた。
最初の職人は、「見ればわかるだろう。レンガを積んでいるんだよ」と答えた。
二人目の職人は、「食うために働いているのさ」と答えた。
三人目の職人は、「後世に残る町の町の大聖堂を造っているんだ!」と答えた。


で、この話から、大体の場合は

 目的(ビジョン)を持つことが大事です

という風に話を持って行かれるのですが、知ってます?

つまりは、

仕事というのは、大きな目的をもって、一歩ずつ着実にやっていかなければならない。そのために、単に今の仕事を作業としてとらえていては、その作業に不都合が生じても(たとえばレンガが1mmほどずれて隙間が空いていても)、そこで流してしまう。
これが大きなビジョンを持っていれば、町の大聖堂というのは、人々の心のよりどころなのだから、隙間風が入るような大聖堂ではだめだ、と気が付くわけです。
そして、単に言われたことをやるだけだったり、お金のためだけだったりするような仕事ではモチベーションも上がらないし、品質を良くしようとしたり改善しようとしたりする意欲も上がってこない。
自分のやる仕事をもっとしっかりその目的を見つめて仕事をしましょう。

と、まぁだいたいこんなふうに結びが来るわけです。

もう一つ別の解釈を聞いたことがあります。
いわく、
人は自分の仕事を小さく定義しすぎている。もっと大きな定義をすれば、もっと大きな視野で仕事を定義すると、大きな視野で全体像を眺めることができ、その仕事を成功に導くレバレッジポイント(てこの支点)が発見できるようになり、自分の仕事を大きな成功に導くことができる
というものです。

さらに、これには後日談バージョンがあって

 旅人が3年後にまた再びその町を訪れた。
 大聖堂は立派に完成していた。
 あの時の一人目の職人を探すと、別の家のレンガを積んでいた。
 二人目の職人は、家を作るための木を切り出していた。
 三人目の職人は、町に上水道を作るための設計チームを率いていた


というものです。
まぁ、それなりに味わってください(笑)。個人的な感想ですが、

 時と場合によるんじゃぁない?

と感じました。もちろん、講習中にそんな反論はしませんが。


shiro005_sunomata_02.jpgちょっと自分が思い出したお話があります。
秀吉の墨俣一夜城というのをご存知でしょうか?

織田信長が美濃を攻める際に、要衝の墨俣を抑えて美濃に攻め込みたいが、ここに陣を築こうとすると、美濃から大群が攻め寄せてきては、乱戦となり、ついに追い返されてしまう。そこで、柴田勝家らに命じて城を築こうとするのですが、完成する前に破壊されてしまって、一向にらちが明かない。最後に羽柴秀吉にそれを命じたところ、なんと一晩で城を作ってしまい、美濃勢はこれに攻め込めずに、信長は美濃への橋頭堡を築くというお話です。

秀吉は何をやったのか?

まず蜂須賀子六という地元の侍を引き込んで、地侍を味方につけます。それから、地元の農民に触れて回ります。「城を作るための石、柱を持ち込んだものには、その大きさ、重さに応じた褒章を出す」と宣伝させたのです。
その結果、お金がほしい農民がこぞって城づくり必要な資材を持ち込んで、地侍が、その資材の配置を適切に制御して、あっというまに城が出来あがった、ということです。

もちろん、秀吉の優秀な采配もあったのでしょうが、

 どこにビジョンがある?

農民にとってはそこに城ができるということは、戦争するうえでの拠点ができるということで、自分たちの村が攻められる対象になりかねません。そんなものに協力する気になるか?

地侍や農民は、一人目と二人目のレンガ職人程度の意識だったのに、ちゃんと秀吉は目的を達成したじゃない。

 やっぱり世の中、ゼニやで、ゼニ!
 夢じゃあ、腹はふくれまへんでぇ〜   (なぜか関西弁調)
 

かもしれないと思う今日この頃。
posted by 管理人 at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月31日

会社の評価

あなたはいま管理職でしょうか?
まだ、管理職になってない?

a89c25ff448fac8b8a4dd820c4bf384a1.jpgこんな内容のブログなので、おそらく上昇志向のない人は読んでないでしょうね。

では、上昇するためにはどうすればいいか?
条件は2つだけだと思います。

 ・プラスアルファの結果を出すこと
 ・目立つこと


結果を出すというのは、与えられた業務をこなした上に、プラスアルファの業務まで手を出してやってしまうことです。
ここで、「誰かの業務を手伝ってやる」とは意識して書きませんでした。手伝ってやっても主体は手伝われた側の人で、手伝ってやった側の成果とは認められません。もちろん、部内の雰囲気をよくしたという功績はあるでしょうけど。

とにかく、上司から言われた業務以上に業務を自分で作ることです。

たとえば、
 部門のプロセスを改善する
 みんなの進捗管理表の更新を一手に引き受ける
などなど、上司から見てやっていることがわかりやすいプラスアルファ業務をすることです。

そういった部門で、上司が課題に思いそうなことに対して、提案を出して、それを実際に遂行するんです。上司は問題だと思っていながら、みんな実際の業務に忙しいだろうからということで、そういった風土改革やプロセス改革といったものには、なかなか手を出せずにいます。それを引き受けて、

 自分にやらせてください

というわけです。
もちろん、

 「だれか、これやってくれないか」

と上司が言ったものは、すぐに手を挙げて

 「自分にやらせてください」

といえば、上司の心証は格段に良くなります。

 ごますりみたい?

そうです。ごますりです。

 それが何かいかんですか?

それによって組織の業務効率が上がったり、みんなが面倒がるような仕事が効率化されたら、組織としてハッピーになれるじゃぁないですか。

簡単に言うと管理職になれる人というのは、

 管理職の視点を持っている人

です。自分の与えられた仕事だけを頑張っている人は、もちろん相応に評価はされますが、それは現時点の評価であって、未来の評価ではありません。上司が管理職に推薦するのは、その人の未来にかけているということなのです。

で、2番目のポイント
 ・目立つこと

管理職になったり、職位が上がるためには、上司が推薦しないといけません。
だいたい推薦というのは時期が決まっていて、人事部から「3日以内に推薦リストを出すように」とか突然来ます。で、管理職は急いでリストを作り、人事に提出するわけですが、この時に印象の薄い人は、まず名前が上がりません。
511lYSOHApL.jpg
 権力を握る人の法則  ジェフリー・フェファー
 
 よく覚えているものを好きになるという単純きわまりない事実は、あなた自身にも当ではまる。評価を得るためには目立つことが必要だが、目立つだけでなく覚えてもらえば、好感度が高まるのである。記憶に残ることイコール選ばれることだと言ってよい。


この本に書いてある通りだと思います(実感)。
上司は自分が好ましく思っていない部下を高く評価はしないです。ましてや、フルネームをすらすら言えないような人を、自分の同僚にしたいとは思わないでしょうね。

この本は、自分が管理職になって、部下をどのように見ているのか(いかに不公平に判断していたか)に気づかされた本です。逆に言えば、ほとんどすべての管理職・上司というのは、自分の好き嫌いで人の能力を判断してます(本人は公正に判断しているつもりでも)。所詮人間ですから。

豊臣秀吉のエピソードで、「草履を温めておきました」ってやつを知ってみえると思います。これが彼の出世街道の第一歩でしたね。そういうもんなんです。

この考え方を実践するか否かは、別に本人の勝手です。
自分の目標や目的が会社の中にない「釣りバカ日誌」のハマちゃんのような人生もありだと思います。あと、独立して一国一城の主になれるような能力のある人も別です。
ただ、人生のピークのほとんどの時間を過ごす社会人生活の中で、会社という組織に寄りかかるしかない凡人が、それでもある程度の地位に行きたいと思うのであれば、やってみて損にはならないと思いますよ。
posted by 管理人 at 07:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする