国語辞典で調べると下記のように書いてあります
事実
実際に起こった事柄。現実に存在する事柄
真実
うそ偽りのないこと。本当のこと。また、そのさま。まこと。
この2つの違いは、「事実」が起きた事象そのものをさしているのに対して、「真実」はそれが人間に受け取られたときに発生する事柄も含んでいます。ところが一つの「事実」があったとしても、それはそれを観察する人によってその受け取り方は、千差万別です。
アニメの「名探偵コナン」の決め台詞で
「
真実はいつもひとつ!」
っていうやつがありますよね。これを聞いていつも思ってしまうのですが、
大嘘じゃん 同じ事実を見ても、受け取る人によっては、それは「好ましいこと」に見えたり、「好ましくないこと」「悪いこと」に見えたりしますよね。さらには、同じ人がその「事実」を後から振り返ってみたときにもその評価は変わりますよね。
−−−−−−−−−−−−−−余談
ところで、コナンって「名探偵」とか言ってますが、まぁ確かに推理力は大したものでしょう。でも、コナンが行く先々で、今まで平穏に暮らしていた人たちが、何らかの事件、多くは殺人事件に巻き込まれる。こいつが来なければ、もしかしてもっと平和が続いたかも。なんて考えると、我が家では
「疫病神コナン」
でないの? という評価で一致してます。
まぁ、事件が起きなくて、コナンが何もしないのであれば、単なる「ませたガキ」でしかありませんが…。
−−−−−−−−−−−−−−余談 終わり
たとえば、あるプロジェクトを推進していて、なかなか成果が出ない。そのうちに上司からプロジェクトの打ち切りを宣告される、なんてことはサラリーマンをしていれば、ままあることです。
その時に、
「あ〜、このプロジェクトは失敗だった」
って思うのは、ある時点、ある人の見かたでしかないです。
「打ち切り」ということは事実としてあります。でもなぜ「失敗だった」と思うんでしょうか?
「だめだった」という主観的な評価を加えた時点で、思考は停止して、あの時もうちょっといい実験結果が出ていれば、とか、あいつがあそこで邪魔しなければ、とか、「〜れば」「〜だったら」「もし〜」という過去に向かった仮定の話しか出てこなくなります。
あとは愚痴しか出てこない。
自分のお気に入りの本に、こんなフレーズがあります。
仕事は楽しいかね? デイル ドーテン

繰り返すけど、計画なんてたいていうまくいかないものだしね。きみにわかってもらいたいのはね、アイデアというものはなかなかうまくいかないかもしれないけど、試してみることはそうじゃないってことなんだ。「実地演習に失敗はない」と言ってもよかったかな。
それも正しいし、理解はしやすかったかもしれない。
ただ、いいかい。何かをやってみて、それがろくでもないアイデアだとわかったとき、きみはもとの場所に戻ることは絶対にない。必ず、何かを学ぶからだ。学ぶべきことが何もなかった場合は、その前にしていたことに高い価値をおくべきだってこと。そういう意味で僕は、
試してみることに失敗はない
というのは真実だと思っている。それをきみにも信じてもらいたい。だけどそれは、"科学的方法"だの"対照のための非実験グループ"だのについてまじめくさって話したいということじゃない。ただ、いろんなことを楽しくやって、新しいことを試してみて、いつもしっかり目を開けておいてほしいってことなんだ。
・そのプロジェクトを通じて得たものは何だったでしょうか?
・そのプロジェクトをする中で新しい人脈はできたでしょうか?
・うまくいかなかった理由があるとして、それは何をすれば改善できたでしょうか?
そう、
以前の記事で学習することについて書いた
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学習のサイクルというのは
@実践
A経験
B省察
C概念化
を繰り返して、その人の学習が成り立っているそうです。
−−−−−−−−−−−
の省察の部分が、ありさえすれば、そのプロジェクトは、プロジェクトの目的自体は達成できなかったけれども、
あなたのキャリアにおいてはプラス
になっているんです。2度と元に戻ることはないのだから。
プロジェクト打ち切りということ自体は、まぎれもない事実です。しかし、その経験を活かして、
じゃぁこんどはこんなプロジェクトをやってみよう
次はこんな風にやってみよう
と思えるとき、それは事実を超えて真実の姿があるのではないでしょうか。
以前、
ブラザー工業で「
ソフトベンダー武尊(TAKERU)」というシステムがありました。そのシステム自体は、時代を先取りしすぎたのか、撤退することになりますが、その失敗を生かして(技術を生かして?)、通信カラオケJOYSOUNDが出来上がったそうです。
参照:Wikipedia
ソフトベンダー武尊現在ブラザー工業(子会社エクシングが運営している)のカラオケのシェアは第一興商とならび2大巨頭(ほぼ2者で寡占状態)だそうです。
いや、こんなのを例に出すあたり、年が知れちゃいますね。